江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

家族

父と暮らせば51(最終回)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 2月12日 10時12分 父は静かに旅立ちました。 85年の人生でした。 お読みくださってありがとうございました。 伊勢物語の主人公、在原業平の辞世は「つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざ…

父と暮らせば50(最後の外出)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 父は半年かけて徐々に痩せ、徐々に弱っていった。最近はもう外出もほとんどできず、いつも家でテレビの前にいて一日過ごしていた。 「悪寒がするらしい」という妻からの電話を受けたが、仕事がたてこんでいて帰宅…

父と暮らせば49(伯母の通夜)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 伯母が亡くなった。92歳である。10年くらい前から認知症になって長く入院していた。私は幼い頃この伯母にとてもお世話になった。今の学校に勤めるようになってからも、仕事帰りに何度も一人暮らししている伯母…

父と暮らせば48(いつか来る日)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 前回にこのシリーズを書いてから、かなり間隔が開いた。 何人かの方から「お父上は?」と尋ねるメールをいただいたこともあった。特に書くような材料がなかったわけでもないが、なんとなく書けないままに今日に至…

父と暮らせば47(ヘッドホン)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 父は耳が遠い。補聴器を付けた方がいいと思うのだが、耳鼻科に連れて行ってやる時間がとれないし、父に「補聴器つけたら?」と訊いても「そんなんいらん」と答える。そういうわけでそのままになってるのだが、やは…

父と暮らせば46(お盆)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! お盆なので、父の実家に出かけた。お供えにする和菓子を買うために「あん庵」に立ち寄る。そこで3軒分のお菓子を買って、それから外環を走り、和泉市の山奥にある父の実家に着いた。お供えを3軒分買ったのは、そ…

父と暮らせば45(父のサンダル)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 父にサンダルを買った。歩くときにずれないように、かかとの部分が固定されるヤツである。この老人に似合わないサンダルをはいて、父は夕方になると近所を散歩している。 こないだの日曜日には御堂筋に出かけた。…

父と暮らせば44(灯油を買う)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 写真は2年前のもの。今年はもっと安い→ 自分の外出に父を連れて行く。家にいてテレビを見てるよりもきっとその方が気が紛れるだろうと思うからだ。先日オイル交換と、ヘッドライト交換のためにオートバックスに行…

父と暮らせば43(水賀池のつつじ)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 休日で天気も良かったので、泉北高速、深井駅のそばにある水賀池のまわりのつつじを見に行った。車をサンパレスの駐車場において、ちょっと自然食品の店を覗いて買い物をして、それからゆっくりと池の周囲を歩いた…

父と暮らせば42(耳あか掃除)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 父が突然、「どっか耳鼻科知らんか?」と言い出した。なんでも耳が調子悪いというかかゆいというか痛いというか、面倒くさがりの父がそう言い出すのだからきっと今まで我慢していたに違いない。一大事である。 幸…

父と暮らせば41(WTCタワーに行く)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む! 父を連れてWTCタワーに出かけた。父が「住之江公園のその先の埋め立て地のあたり、今はどうなってるのかな?」と訊いてきたので、「そこにあるのが府庁移転のWTCタワーやん!」と説明したのである。しかし、…

父と暮らせば40(座椅子を買う)

父に座椅子を買った。 父がテレビを見るときに座る椅子を買おうと思って、ホームセンターコーナンに連れて行ったのだが「これは!」と思うものがない。ニトリにもない。そういうわけでなかなか手に入れる機会がなかったのだが、座ってる父が起きあがるときに…

父と暮らせば39(お好み焼きを開拓)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 日曜日に父とよく出かけていた河内天美のお好み焼き屋が閉店したので、代わりに行く店を見つけようと思って河内松原の駅前にある 「風の街」という店に出かけた、駅ビルに車を駐めて、そこから駅の中を通り抜けて店…

父と暮らせば38(白鷺公園花菖蒲)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む クルマで10分ほどで行ける、白鷺公園の花菖蒲を見せるために父を車で連れて行った。 まだまだつぼみのものが多かったけど、それでもかなりきれいに咲いている。駐車場も無料だし、もちろん公園の中に入るのも無料…

父と暮らせば37(父のカップヌードル)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父がカップヌードルを食べていた。 父がお菓子と一緒にカップヌードルを買っていたことには気づいていたが、それを作って食べていた。もっとも作ってくれたのは長男である。お湯を入れるだけだが。カップヌードルを…

父と暮らせば36(父の自転車)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父を連れてホームセンターコーナンに行く。自転車を買うのが目的である。父は並べてあるのを見ていたが、24インチの軽快車を「これがいい」と言い出した。荷台もついてるのでちょっとしたものを積むこともできるし…

父と暮らせば35(父の仕事)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 考えたらこのシリーズを更新するのは半年ぶりくらいである。 父が商売をやめた。クルマを運転するのをもうやめるのだという。考えたら父ももう80なのだ。自分の判断力が鈍ったことを自覚していて、いつまでのクル…

父と暮らせば34(大阪歴史博物館)

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 今日は父と大阪歴史博物館に出かけた。なんでも「粋を極めた大富豪、平瀬露香展」というのをやってると聞いたからである。それをみたいと思っていたのと、父がぶらぶらするから駅まで送ってくれと言ったので、それで…

父と暮らせば33

いただいた年賀状の中に「父と暮らせばシリーズが楽しみです」というのがありました。読んでくださってありがとうございます。今年もときどき思い出したように書きます。 「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父を歯医者に連れて行った。予約しないとい…

父と暮らせば32

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 堺市立病院に検査入院していた父を迎えに行った。午前中退院ということで時間が正確に決まっていなかったので、今日は休みをとることにして、職場には欠勤の届けを出した。病院に電話すると11時くらいになるという…

父と暮らせば31

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父が就職した。79歳の父に仕事がまいこんだのである。自分を必要としてくれてることに大喜びして父は出かけたのである。世間には働き盛りなのに仕事がなくてニート生活を送っている方もいるわけで、そんな中で若い…

父と暮らせば30

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 最近の父のお気に入りは、シャトレーゼのソーダキャンディ(右の写真参照)である。なぜこれを買うのかというと、6本入り126円という安さだからである。それを父は一日に2本食べるのだ。というわけで私は3日に…

父と暮らせば29

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 私は父が自転車で出かけようとしてるのに気づいて声を掛けた。「何買いに行くの?」「領収書」父が野菜や果物を届けた相手に領収書を渡さないといけないので必要なのだという。それで近所の文房具店が店じまいしてい…

父と暮らせば28

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 昨日は久しぶりに父を連れて河内天美のお好み焼き屋に出かけた。退院してからははじめてだから本当に久しぶりである。味覚障害で食べ物の好みが大きく変わった父にとって、焼きそばやお好み焼きというのは昔と変わり…

父と暮らせば27

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 今日は仕事が休みで家に居た。それでパソコン画面を見ながらのんびりとネット取引したりしていたのだが、15:00になって取引も終了したので父を連れて少しドライブした。南阪奈道路沿いにできている道の駅・はびきの…

父と暮らせば26

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父が退屈そうにしていたので、クルマでイズミヤに連れていった。ATMでお金を引き出す用事があったのでそれもついでにすませることにして、ついでにガソリンも減っていたのでそれもついでに入れることにしたのであ…

父と暮らせば25

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父は退院してからめっきりと元気がなくなった。「自信がなくなった」と言う。無理が出来なくなったというふうに感じてるのだろうか。仕事は再開していて、朝早く軽トラックを運転して卸売市場に行く。タバコ代が不要…

父と暮らせば24

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 病院の父は退屈していた。私が差し入れた「孫子」(海音寺潮五郎)を読んでいたのだが、お見舞いのお菓子や果物も置かれていて、そこにさらに私が今日帰りに四天王寺で買った和菓子が追加された。私が買ったのは四天…

父と暮らせば23

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父は一般病棟に移った。もう点滴も外れてるが、胸には何かセンサーみたいなのを貼り付けている。そこから線がのびて機械につながってる。仕事を終えた私が行くとテレビで阪神の試合を見ていた。イヤホンの音量がやた…

父と暮らせば22

「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む 父はかなり元気になった。といってもまだICUにいる。そこで身動き取れない状態で横たわっているのである。 いつ様態が急変しないとも限らない。そういうわけで落ち着くまでまだそこで様子を見るということらしい…