江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

父と暮らせば33

 いただいた年賀状の中に「父と暮らせばシリーズが楽しみです」というのがありました。読んでくださってありがとうございます。今年もときどき思い出したように書きます。

 「父と暮らせば」シリーズをまとめて読む

 父を歯医者に連れて行った。予約しないといけないのが普通で、それでも待たされるところが多いのだが、昔なじみの予約不要でしかも空いている歯科医に連れていった。家から少し遠いのが難点だが、クルマで15分ほどである。その歯科医はいつも空いている。しかし、腕は確かなのだ。それは私や母や妹がみんなそこで治してもらっていることからよくわかる。それでもいつも空いている。そういうわけでたいてい待たずに診てもらえるのである。他のお客がいないからである。(もしもそこに通いたいという方がいればこっそり教えよう。でもきっとこの歯医者さんは頑固だから、私がそういう風に宣伝したことに対して怒る狂うような方だ。「おまえなんかに情けをかけられたくない!」と烈火のごとく怒るだろう。 
 歯科医も客商売であることは確かなのだから、愛想良く振る舞っていればいいものを、この歯科医は時に患者を罵倒する。そして「服や持ち物にカネをかけるのになぜ歯にはお金をかけないのか!」と嘆く。その嘆きは正論だと思うし、私はこの罵倒先生が好きなのである。きっと自分と同類のような気がするからだ。
 父の歯は総入れ歯である。もうかなり昔に作ったので、歯茎が痩せてきて合わなくなっている。それで今回作り直すことにしたのである。型をとって、すぐに最初の診察は終了した。二日後にはもうできあがるという。次はかみ合わせをみることになる。完成が早いのである!ただ、4〜5回は通って調整しないといけないと言われた。
 たまたままだ冬休み中だったので私が連れて行くことができたが、次からは父が自分で来ないといけない。自分でクルマを運転して来る父のために、私はゆっくり走りつつそこへの道順を説明した。曲がり角の目標物なども繰り返し言い聞かせた。クルマをどこに駐めたらいいのか。そこがいっぱいだったらどこに置けばいいかなども説明した。
 父が、合わない入れ歯を長いことを使っていたのは、作り直してもその先の寿命が長くないと無駄になるからと気にしていたのだが、私が「どうせ数千円でできるのだから」と説得して連れてきたのである。もちろん高価な総義歯もあるわけで、30万近いものも作れると説明されたが、そんなのを作ったとたんに使わずにポックリ逝っても困るわけで(笑)、父もそういうのは「あほか!」と言っていらない答えるだろう。
 さて、明日にはもうこの入れ歯はできあがるわけで、父がどんな感想を持つのか、どんな第一声を放つのか。それが楽しみなのである。年を取って楽しみが減った父にとって、食の楽しみはやはり貴重な残された楽しみだと思うのだ。そういうわけで私は明日が待ち遠しいのである。

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