父と暮らせば４５（父のサンダル）
父にサンダルを買った。歩くときにずれないように、かかとの部分が固定されるヤツである。この老人に似合わないサンダルをはいて、父は夕方になると近所を散歩している。
こないだの日曜日には御堂筋に出かけた。平松市長や橋下知事も来ていたそうである。（残念ながら父は「ここで観られる」と教えてくれた方にアドバイスに従った結果、全然観られなかったと言っていたけど。）帰りにはそのついでに阿倍野のあたりもぶらぶらしてきたようである。人がとにかく多かったとか。
店でサンダルを選んだとき、私は父が滑らないようにと靴底がしっかりとゴムになってるやつを探した。そうでないと全て危険だからだ。タイルのところなんかは滑って怖いと父が語っていた。この年齢で転ぶと、下手をすると骨折してそのまま寝たきりなんてことにもなりかねない。だったら出かけなければいいのだが、そういうわけにもいかないし運動しないことはもっとよくない。そういうわけで父は時々散歩したり、阿倍野まで出かけたりするのである。
このサンダルはけっこう気に入ったようである。つっかけがわりに歩くときはかかとのところを固定しないではき、長時間歩くときはしっかりとかかとを固定する。
ただ、この色遣いはどうも老人らしくない。買ったときにはもっと地味かなとも思ったがそうでもなかった。もっともはいてるときはこのピンク色の部分は足に隠れて見えないけれども。
これから梅雨の時期になって、そして暑くなると蒸れるから靴ははきにくい。何キロも歩くわけでもない。でも、もしもこのサンダルが足に合わなくて、靴擦れしていてもきっと父は「息子が買ってくれたのだから」と何も言わないでがまんしてはくような気がする。
そんなことになるとかわいそうだから、こっそりと父の足を観察しておかないといけないなあ。
でも父は暑いときでも裸足にならずに靴下を必ずはいている。それが蒸れて時に異臭を放つこともあるのだが（笑）、冬は靴下を必ず重ねはきしているのである。だったら靴擦れの心配もなさそうである。
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