父と暮らせば23
父は一般病棟に移った。もう点滴も外れてるが、胸には何かセンサーみたいなのを貼り付けている。そこから線がのびて機械につながってる。仕事を終えた私が行くとテレビで阪神の試合を見ていた。イヤホンの音量がやたら大きくて音が漏れまくりである。七階の病室からは外の眺めがいい。眼下を高速道路が走っている。妻が届けた文庫本が二冊枕元にあった。相変わらず病院食はまずいという。減塩なんだからしかたないだろうと思うけど。ただ甘いものは問題ないらしい。そういうわけで父が妻に頼んだ飴を帰りに買って持っていった。私が黒糖入りの飴玉の袋を渡すと、父は待ちきれないように袋をあけて、もどかしい手で封を切って口に入れた。この調子ならすぐになくなるなあと思った私は明日も届けることにした。
備え付けのテレビはカード式になっていて、リモコンがコードでつながっている。それでチャンネルや音量を操作するようになっている。退屈してる父は一日中本を読むかテレビを見ることになるのだろうか。もう十数年前になるけれど、自分が入院したときに「魔の退屈」を味わったことを思い出した。あの退屈な日々は忘れられない。明日持っていく本を自分の部屋の書棚から選ばなければと思った。
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