江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

恋愛

緑の日々(その3)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 二人が入った部屋は、なんとバスル−ムがガラス張りで部屋から丸見えだった。私が心の中で「ラッキー」と大きく叫んだことは言うまでもない。彼女はシャワ−を浴びるときに、「いやじゃあないけど…

緑の日々(その2)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 一晩一緒に過ごしたMを連れて私は帰宅した。私の外泊に慣れっこになっている母は何も文句を言わずただ一言、不用意に、「きのうの夜、Yちゃんから電話あったよ」と告げた。Yちゃんというのは…

緑の日々(その1)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 私の前から姿を消してしまったMから1年9カ月ぶりに突然の電話があった。インドに行くと言って消息を絶った恋人Kからは何の連絡もなく、待ち続けることの苦しさよりも、家を出て、働いて、そ…

夏の日(その14)悲劇はついに・・・

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 自分はいったい何を望んでいたのだろう。つきあっていた女性と別れて、Mへの片想いを選んだとき、こういう結末ははじめから約束されたことではなかったのか。MがKとつき合いながら私とも逢い…

夏の日(その13)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 「夏の日」、全12編をお読みくださりありがとうございました。これは今から20年前の体験を、以前にniftyの掲示板に連載していたのですが、加筆修正したものです。このシリーズはこれから「緑…

夏の日(その12)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 Mがいなくなって何ヶ月が過ぎ、自分の記憶の中ではその一ヶ月が本当にあったことなのかと不思議に思えるようになった。でも、その時間が確かに存在した証拠は、自分がMに逢う前に付き合ってい…

夏の日(その11)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。「今、梅田にいてるの。来てくれる?」 日曜日、家に居た私のところに電話があった。就職活動のためのリクル−トス−ツを買うためにMは阪急百貨店に来ていた。めずらしく私はクルマではなく電車で…

夏の日(その10)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 ここで絶対に勝負をかけないといけない。しかし、Mのガードは固い。KISSですら抵抗するのである。どうやって結ばれる所までもっていけるのか。平和的にものごとを処理するのが好きな私は、「む…

夏の日(その9)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 信州・諏訪湖ユースホステルでその夏知り合った人たちのオフ(宴会)が大阪・千日前であった。私もMもその宴会に参加することになっていた。少し早い時間に梅田で待ち合わせた私たちは、少しデ…

夏の日(その8)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 今時、A*1とかB*2という言い方で性に関する語句を表現するなんてことは田舎の高校生でも言わないだろう。ただ、文学性を重んじてストレートな表現を避ける私の趣味から、そうした書き方をする…

夏の日(その7)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 1984年、9月9日の夜は集中豪雨だった。部屋でMへの手紙を書いていた私のところへ、突然Mからの電話があった。Kとちょっとしたトラブルがあったということで、それでMはかなり落ち込んでい…

夏の日(その6)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 恋愛というものは、多く好きになった方が負けである。初期のユーミンの曲に「少しだけ片想い」というのがあるが、それは少しだけ負けているという意味である。そういう意味で、いつも冷静にふる…

夏の日(その5)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 「始業式」というのは一見とても大切な儀式のようだが、その多くはただ生徒が整列して、校長がおきまりの話をして、担任が宿題を集めて……と、そういう日である。クラス担任を持たなければ、ほと…

夏の日(その4)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。唇を離したあとで、Mは言った。 「でもわたし、今はつき合っている人いてるから、センセイの気持ちに応えられへん。」 「それははじめからわかってる。でも、ホンマに好きやから……」当時、私にも…

夏の日(その3)

初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。 ドアの前で呆然と立ちすくむ私。 今ならドアロックを解錠する技も持っているが、そのときはなすすべがなかった。JAFに電話したが、なかなか到着せず、イライラして待った。そのときにMは、「…

夏の日(その2) 

その日は一日中、京都のいろんな場所をまわった。嵐山(保津川)でボ−トに乗ったし、イノダコ−ヒ−でおいしいコ−ヒ−をいただいた。Mが、「今日は何時頃に帰るのですか?」と訊いてきた。平日の夕方にクルマを走らせても通勤ラッシュにぶつかって時間がかかる…

夏の日(その1)

1984年夏、私はオフコ−スの『夏の日』という曲をとても気に入って、通勤のクルマの中でいつも聴いていた。そして、その歌詞と全く同じような恋を奇しくも体験したのだった。きみがぼくの名前を はじめて呼んだ夏の日 ぼくはきみを愛しはじめてた (『夏の日』…

気づかなくて、ごめん

大学生の時、二つ年上の女性のために自転車を組み立ててあげたことがある。大手メーカー車が定価の2割引で買えるということで、丸石から出ていた女性向けの、フレームサイズの小さいパールホワイトのヤツを買った。丸石エンペラー・ミキストだったかな。彼…

シンデレラ・エクスプレス

松任谷由実に「シンデレラ・エクスプレス」という曲がある。そんな遠距離恋愛を私はしていた。以前に日記に書いた青山学院の学生だった彼女のことだ。学生の彼女が自分に会いに来る交通費のために、私は自分の姓の後に彼女の名前を入れたキャッシュカードを…

あなたは私が好きでしたか?

大学の二回生の夏、私は北海道を自転車で旅行していた。ただ、札幌での一日は、その春に九州で知り合った二つ年上の、北海道教育大に通っていた女性Y子さんとのデートにあてた。彼女は札幌や小樽を案内してくれて、夜はススキノの居酒屋に連れて行ってくれ…

サヨナラのその後

男と女、過去の恋愛を引きずるのはどっちだろう。大学の3回生のころに、ひとつ年上の女性とつきあっていた。彼女は私よりも一年早く社会人になることになる。彼女なりの将来設計を考えてたみたいで、「あなたが大学院に進学したら私の家から通えばいい」と…

どんな人間がモテるのか

モテる男がうらやましいと思ったことは少ししかない。その理由は、仮にオレが今のオレとは違った人間になって結果的にモテたところで、それは今のオレがモテているわけではなくてオレではないオレがモテているということだからだ。たとえばオレは背が低いが…