夏の日(その4)
初めての方は必ずその1(12/17の日記)からお読みください。
唇を離したあとで、Mは言った。
「でもわたし、今はつき合っている人いてるから、センセイの気持ちに応えられへん。」
「それははじめからわかってる。でも、ホンマに好きやから……」
当時、私にも実はつき合っている恋人がいたが、あまりうまく行ってなかった。
傷つけ合うような付き合い方よりも、爽やかな片想いの方がいい・・・
私がそういう決心をしたとしても、決して不思議ではないだろう。
Mを早朝に下宿に送り届け、約3時間かけて私は当時の勤務先だった公立高校に直行し、9時30分からの職員会議に間に合った。
疲れからその日の会議であったことはほとんど覚えていない。(一睡もしてないから当たり前だ。)何が報告され、議論されていたのだろうか。
自分にとっての長いラブスト−リ−はこのときまさに始まったばかりであった。