息子とうんち

　点滴につながれたままの息子（次男）をトイレに連れて行く。最初、子供用の小さい便器に座らせてみたが、「ちっちゃくてこわい」というので大人用の便器に座り直す。考えたら家でも大人用だ。自分の息子でさえもこんなに臭いのに、見知らぬ他人ならなお臭いだろうと、介護というお仕事をする人たちのこと思う。片手が使えないので代わりにお尻を拭く。手に少しくっついてあわてて洗う（笑）。どうも昨日からシッコやウンチに縁があるみたいだ。
　息子は病院食の昼食を食べた後で、ツナマヨのおにぎりが食べたいと言うので、近所のコンビニまで散歩して、ついでに自分の昼食も買った。ミートスパだ。
　きっと今頃は家で妻や母が「こんなときに男は役に立たない」と、言ってるに違いない。妻はインフルエンザみたいでもう病院には来られない。そうなると、明日は欠勤して付き添うことになるのか。仕事と息子とどっちが大事かと聞かれたら、そんなこと決まってるじゃないかと思う。私が休んで自習になればおそらく生徒たちは「やったぁ」と歓声をあげるだろう。誰だって授業よりも自習の方がいい。
　さっきから息子はすやすやと寝息をたてている。もう激しい咳はでない。病院からもらった入院計画書には病名を「肺炎」と記してあった。肺炎で亡くなる子どもやお年寄りもいるのだから、すぐに病院に運んでよかったと思う。一晩中咳が止まらずに苦しんだ夜がうそのように静かに眠っている。
　次男はピカチュウに似ている。