息子とオシッコ

　病院で次男に付き添っていた妻が３９度の熱を出して倒れた。母も疲れ切っている。こんなときに元気でしかも役立たずの、連休中はヒマな人間が一人いる。それは私だ。そういうわけで交代して次男に付き添って病院にいる。次男はもうぜんそくの咳もおさまってかなり元気だ。熱も下がったけど点滴はつながったままである。オシッコをするのもベッドのところでする。さっきちんちんにかぶせる容器の手元が狂って上着の袖がシッコまみれになってしまった。なんてことだ。もしもこれを妻や母が見ていたらきっと「こんなときに男は役に立たない」と、言うに違いない。
　病院は退屈だ。しかも夜になったら消灯なので本も読めない。そうなると後はネットでもするしかないじゃないか。こんな狭いベッドでどうやって息子と一緒に寝るんだ。
　妻はかなりしんどそうだったし、母も高齢だから無理は出来ないし、でも自分は連休中だから基本的に休みだし、どうせ家にいても「こんなときに男は役に立たない」と言われるのはわかってるので、役立たずは役立たずに徹して、ベッドのそばで絵本を読んで上げたり、たわいもない話をしたり、オシッコで袖をびしょびしょにしたりして過ごそう。なんてことだ。パソコンだけはオシッコから守らないと。