忘れ物に対する対応 - 江草乗の「大人の物欲写真日記」

　授業に必要な教材を忘れてくる生徒が昔に比べて増えたような気がする。忘れ物自体は日本中の学校で増えているらしい。これはとりもなおさず生徒たちに「前日にきちっとランドセルの中味を確かめて忘れ物をしないようにしよう」という習慣が失われてしまったせいなんだろうと思っている。あと、教材をなくす生徒も増えた。なぜなくすのか。その物質が地上から消えてしまうことなどないわけで、なくすなんてことは自分の持ち物の管理がちゃんとできていないことの証拠である。
　成績の悪い生徒ほど忘れ物も多いし、教材を無くすようなことも多い。だから成績が悪いと言えばそれまでなんだが、そういった能力、つまり忘れ物をしないし大切なものをなくさないというのは社会人になれば当たり前の能力であり、それが成績との相関性が高いわけで、企業が高学歴を求めるのはそのあたりにもあるのだろうかという気がする。
　数人の忘れ物する生徒を想定して、教材プリントの予備を準備したりする。その忘れ物のせいでその生徒が授業を理解できないことはかわいそうだと思うからだ。しかし、そういう生徒はこっちの心配の甲斐もなく、はじめから授業を受ける意志が薄弱で居眠りしていたりする。最初から見捨ててもよかったわけである。
　さてこの忘れ物対策なんだが、それは教師の親切でもなんでもない。最初から「忘れ物をするヤツが居る」と想定して準備することは、有る意味幼児に対して「トイレトレーニングができていないからおむつをする」ことと同じである。つまり、生徒を赤ちゃん扱いしてるのである。だったらそこで「忘れ物をした以上、ぼくには授業を受ける資格はありません！」と殊勝に教室を出て行くか・・・というとそんなヤツはいないわけである。

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