江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

無理するな

数年前だったか、テレビのCMで「偏差値30台からの大学受験」というフレーズが流れた。そのときにオレは思った。「無理するなよ」

そんな状況になるだなんて、いったい高校で何やってたんだ。授業中全部眠っていたのか?それとも記憶容量がゼロで全く覚えられないのか・・・と。

オレは某所BBSでこんな暴言を書いた。
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進学校でも一番上のレベルだと、はじめから頭のいい子が集まってるのでわりとのんびりしてるんですよ。自由な雰囲気の中でのびのびとやれる。それでも生徒は頭がいいから受験には問題ない。問題はスパルタ教育で実績を上げようとしている学校です。そんな「受験少年院」に子どもを入れて、見かけの学歴をつけたところでそれは「下駄を履かせた」ものであって本人の本当のレベルじゃない。「少年院」じゃなくてちゃんと「学校」に行って、友人をしっかり作って、人生を渡っていく知恵を身につけることが大切です。
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自分の能力に合わない学校に入れられて、そこで青息吐息で必死でついていくよりも、適度に遊び、趣味のクラブ活動に打ち込み、友人を作って人生を楽しむ方が人間的に成長できることは確かだと思う。
ところがこうした意見に対して「教師としては大変な問題発言」であると怒ってメールを送りつけてくる方がいた。オレは考えた。どこが問題発言なんだろうかと。それがわからないと反論しようがない。
論理的でない方というのは、「あなたのこの部分がこういう理由で問題発言です」という指摘をしてくるのではなくて、感情的に考え方そのもの、そしてオレの人格に対して反発してくる。もっともオレは人に嫌われやすいタイプみたいで、その後の人生でも数多くの「無条件に反発するヤツら」に出会ったのだが。

人間の能力にとって素質はかなり大きなウェートを占める。それを決定するモノは遺伝以外に環境因子もあるだろう。しかし、小学校ですでに全然お勉強についていけないなんて子どもがいれば少なくともその後に過酷なトレーニングで東大を目指させるなんてことが本人に過度のストレスを与えるだけということは自明である。

大切なのは「学校でのお勉強」はいろんな価値の中のワンオブゼムでしかないということだ。それ以外の価値がこの世にはたくさんある。
不幸なことに貧乏で、容姿にも恵まれず運動能力もたいしたことが無かったオレにとって、「受験勉強する」というのは選択可能なものの一つでしかなかった。学歴のない親は「商業科に進んだ方が就職に有利だ」などと言ったこともあった。まさか自分が中高一貫校の秀才達と互角以上に戦えるなんてレースに参加するまでは思ってもみなかった。受験を終えて思ったのは、「二度と戦いたくない」だった。自分にも大きなストレスだったことは事実だ。サイクリングが好きだったけど、受験の夏は封印した。合格を決めた春に久しぶりに走ったときにめっきり体力が落ちていて悲しかった。花背峠に登ったのだが、そこで自分が後に所属することになる大学のサイクリング部の先輩部員に偶然に会った。