江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

京大生も就職難

exajoe2013-10-06

 京大生でも今の就職戦線では苦労しています。
 そのことを詳しく書いている記事です。

京大生でも1勝29敗――受験エリートを襲う「就活の恐怖」
(PRESIDENT Online ) 2013年10月6日(日)配信

小・中学生の親にとって、わが子の就職活動なんて「まだまだ先の話」だろう。そんなことより、今日勉強をがんばってくれて、来月のテストでいい点を取ってくれて、優秀な学生が集まる大学に進んでくれたら、どれだけ素晴らしいことか。でも、どんな子にだって「その先」がある。待ち受ける現実を覗いておこう。京大生であるにもかかわらず、就職できない学生がいる――。この情報が飛び込んできたときのプレジデントFamily編集部の反応は「まさか」と「やはり」が混在した複雑なものだった。
「企業がいくら人物本位の採用を標榜(ひょうぼう)しているとはいえ、それは多分に建前である。短期間に多くの学生の中から有能な人材を見いだすためには大学名による選抜がもっとも効率的である。よって京大生が就職戦線で敗れるなんてことはありえない!」
まさか派は強弁する。一方のやはり派はそれを揶揄(やゆ)する。
「いやあ、そうは言っても、いまビジネスの世界でいちばん求められるスキルはコミュニケーション力ですからね。高学歴でも周囲とうまくやれない人って、うちの会社にもいるじゃないですか。やっぱり企業としては、その手の人材は敬遠しますよ、いまどき」
聞いていた筆者の心中は、まさか3割、やはりが7割といったところだった。京都大学は偏差値的なブランド名としては申し分ない。しかしながら、どこか天才と奇人・変人をともに輩出する、学術重視の大学というイメージもある。
ヘンクツな研究者然とした学生ならば、就職戦線からはじき飛ばされるということもあるのかもしれない。この学生に会えるというので、まさか派、やはり派混交の我々取材班は、待ち合わせ場所である大阪に急行した。
■大企業ばかり10社――1次面接で全滅
大阪のとあるレンタル会議室に現れた山中健一郎君(仮名・23歳)は、短髪にクールビズといういでたちのさわやかな青年だった。フケだらけの頭をバリバリとかきながら……という“金田一”的な人物をどこかで想像していた筆者にとっては、1つ目の“意外”だった。
京都大学の工学部出身です。いまは修士課程で情報解析の研究をしています。スポーツですか? 高校時代には弓道をやっていて、大学に入ってからもずっと武道を続けていました」
文武両道、質実剛健。会話のスタートも申し分ない。またまた意外である。
「大学3年のおととし、就職活動をしたんですが、エントリーシートを10社送って、結果は1次面接で全滅です。で、自分なりに問題点を整理してみたんですが、失敗の原因は主に3つありまして、1つは化学、医学、インフラなどの大企業ばかりを狙ったこと、2つ目は面接の練習を怠っていたこと、3つ目は友達や先輩などからの企業情報の収集をしていなかったこと、です。やはりどこかに『自分は京大生だから』というプライドと慢心があったと反省しています」
説明も理路整然としてわかりやすい。
あえて言えば、やや理屈っぽい印象があることと、丁寧すぎる注釈が会話のところどころにはさまれるきらいがあることが気になったが、これも理系出身者共通の傾向で、不採用の理由にはなりそうにない。
だが、山中君本人は「1次面接での敗退」という現実に大きな挫折感を覚えた。
「1次面接は集団面接やグループディスカッションなのですが、“リーダーに必要な要素とは何か”とか“新規事業で店を出すことになったが、どんな業態なら成功するか”など、いろいろなお題が出されて、それに対する自分の考えを面接官に話したり、学生同士でディスカッションしたりするんです。これが自分にはうまくできなかった……。普段からそういうテーマについて考えていなかったということもありますし、自分の考えをきちんと説明できなかったという部分もありました」
山中君は学卒での就職を断念し、修士課程に進学。就職活動へのリベンジを開始した。同時に自分の課題である「面接力」を磨くため、友人の紹介である就職セミナーに参加。そこで知り合ったキャリア・コンサルタントが、株式会社ASキャリア取締役の浅田実果氏(写真左)だった。
■秀才はなぜ対話力に乏しいのか
昨年11月、初めて会ったときの山中君の印象を、浅田氏は次のように振り返る。
「まず、最初のセミナーに遅刻してきたり、案内の係の人よりも先に会場に入ってきてしまったりと、基本的なビジネスマナーが身についていないなと感じました。
それから、就職や自分の将来に対していろいろな思いは持っているようでしたが、話の優先順位を決めて、その思いをきちんと相手に説明することができないようでしたね」
なるほど。しかし、若い学生のことである。しかも理系だ。如才なさやうわべの会話術にやや問題があっても、京大卒というブランド力を覆すほどの致命傷になるとは思えないのだが……。
だが、「それはまったく違う」と、浅田氏は断言する。
「いま、企業が求めているのは、理系の専門的知識と文系のコミュニケーション力を兼ね備えた人材です。専門知識は大学の偏差値や成績で勝負できますが、コミュニケーション力は面接での“対話力”がポイントになります」
会話力ではなく、対話力?
「そう。会話力と対話力は違うんです。対話力とは相手と話の論点をずらさずに最後まで会話を続ける能力をいいます。そのためには相手が話している内容をきちんと理解する必要がありますし、自分が話したい内容の中から、何を話すべきか取捨選択をして、的確に相手に伝えなければなりません。山中君に限らず、いまどきの学生さんにはこの対話力に乏しい人が増えているんです」
その理由を浅田氏は次のように分析している。
(1)プライドが高い誰かと話していて自分が知らない事柄が出てきたとき、その場で質問して理解しないと対話は続かない。だが、高学歴の若者ほどプライドが邪魔をして、わからないことを質問できない傾向が強い。
知らないことをネットやスマホで簡単に調べられてしまう現代の環境も、若者の質問ベタを助長している。
(2)いまどきの若者に共通する独特の「やさしさ」会話のノリやテンポを大事にするあまり、会話の流れを止めてしまう質問や反論ができない。仲間の話に同調するのがやさしさだと考えるので、論点がずれてもノリだけで会話を続けていく。子供のころからこうした会話ばかりを繰り返してきたため、しっかりと対話する訓練ができていない。
(3)大人と会話した経験が少ないいまどきの若者は総じて同じ年代の少数の仲間とだけコミュニケートする傾向が強く、年代の異なる大人と会話する機会が少ない。そのため、自分たちの内部だけで通用する言語習慣だけで会話しがち。面接という大人を相手に目的を持って対話をするという場面を、事前にほとんど経験していない。
■高学歴に不利ないまの新卒採用条件
そんな対話ベタの若者の中から、理系の知識と文系のコミュニケーション力を兼ね備えたスーパーマンを見つけ出そうというのが、今日の企業の採用姿勢なのだ、と浅田氏は言う。
「要するに、組織に依存する体質の人材ではなく、1人で考え、行動し、生きていくことのできる生命力や存在感を持った人材を欲しがっているんです。そこがクリアできなければ、たとえ一流大学卒のブランドがあっても、企業は採用しません」
生命力や存在感というのは、言い換えれば“人間力”である。
しかし、人間力というのは、社会に出て、さまざまな体験を経て、ようやくにじみ出てくるもの。中高年になっても人間力のかけらも感じさせない人物など、世の中に掃いて捨てるほどいるのに、面接にやってくる学生にそれを求めるというのは、あまりにも酷な注文なのでは?
「確かにかつての日本企業のように、一から人材を育てるという努力を放棄しているという見方をすれば、企業の怠慢かもしれません。しかし、それが現実なんです。最初からそうした強さを持った学生だけを採用して、少数精鋭で戦っていこうというのが、いまの多くの日本企業の考え方なんです」(浅田氏)
なるほど、どうやらこのあたりに、高学歴就職難民が生まれる秘密があるようだ。
1980年代半ば、ある一流総合商社の採用担当者はこんなことを語っていた。
「学生が無能なのは当たり前。だって学生なんだから。ただ、伸びしろのあるやつ、気骨のあるやつのいる率は、やっぱり一流大学のほうが高いから、大学名でどっさり採用してから、徹底的に鍛えてふるいにかければいい。一人一人の人となりなんて見ているヒマはないよ」
いまから考えるとずいぶん乱暴な話だが、おおむねこれが、高度成長期から続く新卒採用の考え方だった。だからこそ「一流大学 → 一流大企業」という図式が成立したわけだ。
なにやら様子が変わり始めたのは、やはりバブル崩壊から数年を経たころからだったか。
2000年代初頭、とある旧財閥系上場企業の社長が新卒社員の入社式の日に、こっそりこんなホンネを漏らしたのを聞いたことがある。
「本当のことを言うと、今日この式に参加している人材はすべていらない。本当に欲しいのは自分の力で起業して、独力で儲ける仕組みを作り、売り上げを作れるクラスの人材。でも、そんな人はそもそも組織の枠に入ってこないから、うちの面接は受けにこないんだよ……」
自立した人材を渇望しながらも、大企業に依存したいというタイプの志願者の中から採用せざるを得ないという矛盾を、このころから企業は抱えるようになった。
それでも新卒採用を続けていただけ、当時はいまよりはましだったのかもしれない。浅田氏の指摘する通り、体験によって生まれる能力を、体験の少ない若者に求めるという無理難題を押し付けながら、もし、めがねにかなう人材がいなければ採用そのものを控えるという戦略を企業が採り始めているとすれば、いわゆる“高学歴エリート”には、きわめて不利な状況だといえよう。なぜなら彼らはさまざまな体験をする時間を犠牲にして、受験勉強を勝ち抜いてきたわけだから。
■居酒屋バイト vs 家庭教師
浅田氏がその卑近な例として挙げたのが、アルバイトである。
「二流、三流大学で居酒屋でアルバイトをしている学生などの場合、日常的に社会人と接し、彼らのホンネを耳にしたりする機会があります。そうした中で『大人ってこういうものなんだな』という具体的なイメージを持てれば、面接でもある程度、大人と同じ目線で対等に話すことができます。
ところが一流大学の学生はというと、アルバイトはほとんど家庭教師か塾講師。大人と接する機会はほとんどありません。また、挫折体験も少ないので、受験勉強以外で何か困難を乗り越えたり、人との葛藤を経験したりしておらず、人間力を養う機会に乏しい。結果、二流、三流大学の学生が思わぬ企業から内定を取ってくる一方で、山中君のように、一流大学出身でもなかなか内定が取れない学生が増えているんですね」
この「体験の不足」という観点から山中君のケースを見てみると、なるほど浅田氏の指摘が正しいことがわかる。山中君は4人兄弟の末っ子で、上は全員兄。父親が無口であることに加え、男ばかりの家族構成であったため、家庭内に対話らしい対話はなかった。むしろ、3人の兄に対する反発で、受験勉強に打ち込み、京大に合格したという経緯がある。
大学進学後は学費以外はアルバイトで賄うという苦学生活。アルバイトはすべて家庭教師だった。
家賃と食費の節約のため、大学の寮で生活。学業とアルバイトに明け暮れる毎日であったため、成績はよかったが、友人と遊んだり、異性と恋愛したりする時間は犠牲になった。
「確かに恋愛はしておけばよかったと思いますね。理系の環境には女子がほとんどいませんし、なかなか難しいことではありますけど、なんていうか就職活動と恋愛って似ている気がするんです。相手を研究したり、こちらをアピールしたり。ですからこれから就職活動をする後輩には『恋愛はしておけよ』とアドバイスしています。
僕もこれからですけど(笑)」
■最後の決め手は何なのか?
こうした経歴が、山中君の対話力や人間力の不足の一因となった可能性は十分にある。
「でも、一方で彼には受験勉強や武道に打ち込んだ結果身につけた粘り強さがありました。セミナーの費用を自分で支払い、京都から大阪まで通って、実に半年間・40回も、私とのマンツーマンの“対話練習”を続けたんです。歩みを決して止めないその根性は本当にすごいと思います」(浅田氏)
努力の結果、山中君の就活リベンジは「エントリーシート提出20社、最終面接まで進んだ企業4社、内定1社」というものだった。
「周囲の友人がどんどん内定を取っていくのに、自分だけが取れない状況が続き、不安でした。でも、志望する企業に入社できて本当によかった。正直、対話力はまだまだ勉強中です。今回の取材もその練習になると思ってお受けしたんですよ」
安堵(あんど)の笑みを浮かべる山中君。恐らくは1度の就活の失敗と、それを乗り越えて1つ成長した今回の経験は、彼の人間力を鍛えるための貴重な体験となったのであろう。
恐らく、というか間違いなく、今日の新卒採用においても大学名は大きなウエートを占めている。だが、かつてのように「ブランド一流大学出身者なら、ほぼ無条件で採用する」という“万能就職通行手形”では、もはやない。
大学名は企業が学生の眼前に無数に並べたハードルのうちの1つにすぎない。
しかもそれは、天賦の人間力を持った二流大学出身者にもかなわない、という程度にデフレ化している。
企業の怠慢に対する憤りと、努力が正当に報われない不遇への嘆きは、まったく正当なものだ。しかし、それにとらわれて歩みを止めるのはナンセンスだ。山中君がコミュニケーション力という迷宮を抜け出せたのも、歩みを止めなかったからだ。
幸い、我々の子供たちにはまだ時間がある。「対話」と「体験」という2つのキーワードについて、親子でじっくり研究し、対処する時間が。
田中義厚=文 和久六蔵=撮影

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