江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

梅雨が来る前に

 「つゆのあとさき」というさだまさしの曲がある。私のカラオケの持ち歌の一つで、歌ってると教師になったばかりの頃を思い出す。まだ22歳の自分と生徒の年齢差は5つしかない。生徒の中には熱烈なラブレターをくれたり、バレンタインデーに本命チョコをくれたりと、今時の軽薄な高校生にはあり得ないような、私の魅力にちゃんと気づいてくれるいい子がいた。彼女たちはいまどうしてるのかなとなつかしく思う。
「センセイ、私をお嫁さんにして」
「ちゃんと大学を出たらそのときは考えてもいいよ。今はまだ早いだろ」
 大学に行くと言うことは、同世代の男子と新たな出会いを経験すると言うことだ。時間の経つのは残酷でもある。人の心はどんどん移り変わっていく。
「センセイ、今度私結婚します」
「そうか、おめでとう」

 めぐりあうときは 花びらの中 きみは誰よりもきれいだったよ
 別れゆくときも 花びらの中 きみは最後までやさしかった
 つゆのあとさきの トパーズ色の風は 遠ざかる きみの後を 駆け抜ける