１Ｑ８４を買うべきか買わざるべきか・・・ - 江草乗の「大人の物欲写真日記」

exajoe2009-07-11

　本屋の店頭に「1Q84 BOOK 1・1Q84 BOOK 2」が大量に並んでいた。実はまだ読んでいないのだが、もう２００万部も売れてるらしい。こういうふうに多くの読者に読まれることは果たしていいことなんだろうか。傲慢な言い方かも知れないが、この本の読者にふさわしい人が日本人の中に１００万人以上もいるとは思えないのである。
　私は村上春樹の一部の本が好きである。「国境の南、太陽の西」はかなり気に入っていて何度も読み返した。ブックオフの１００円コーナーで発見すると救出して誰かにあげることにしている。そういうわけでわが家にはハードカバーの「国境の南、太陽の西」が３冊あって、誰かに贈答されるために待機しているくらいである。しかし「ねじまき鳥・・・」は途中から退屈した。なんとか読み終えたものの、どうしても好きにはなれなかった。そして「自分には村上春樹ファンを名乗る資格はない」と絶望したのである。
　ノルウェイの森がベストセラーになったとき、自分としては納得がいかなかった。自分はその本を読んでかなり得るところがあったが、ではそれが１００万人以上の人に読まれるような大衆的なレベルかというとそうとも思えなかったのだ。この本は読者を選ぶはずだ。この本がわかるようなまともな読者が日本に１００万人もいるわけないじゃないか！という傲慢な思いこみなのである。
　たいていの人々は本を浅くしか読めてない。たとえば三島由紀夫に「春の雪」という小説があるが、そのラストシーンで「これは源氏物語の浮舟だな」と思える読者がどれだけいるだろうか。そういうわけで、読書というのはかなり高度な知識を必要とする行為なのだ。しかし、浅はかなままでもとりあえずは勝手な解釈で読めてしまう・・・それもまた読書なのである。
　夏休み中にたぶん「１Ｑ８４」を読む時間は手にはいると思う。そしてもしも書評を書くだけの価値があると思ったら書くだろうし、そう思わなかったら書かないだけのことである。
　こんな高性能のマウスがここまで下がってきたのか・・・　アマゾンでは３７２０円である。５０００円以下になったことでも驚きなのに。　