日本の古典を読む
古典文学を読むときに、どんな本が初心者にも読みやすいのだろうかと思ってネットを検索していたらこんなシリーズを見かけた。実はこのシリーズ、書店で手にとってみて、なかなか読みやすいのでいいなあと以前に思ってそれっきりにしていたことを思い出したのである。こういうのはできれば公共の図書館に置いたりして欲しいのだが、もう少し安かったらなあという思いもある。一冊1890円というのはあまりにも高いのである。これなら中学生や高校生が買えないじゃないか。古典というのは著作権料が発生しないわけで、だったらその分のコストはかかっていないわけだからできれば安く提供してみんなが買いやすくして欲しいと思うのである。一冊1000円以下にしてしまうと出版元の利益もあまり出なくなってしまうのだけど。あるいは文庫化して、一冊の価格を下げるという方法もある。そのときはできれば500円以下にして欲しい。
日頃、古典を授業で教えている私が心がけることは、いかにして古典の面白さを生徒に伝えるかということである。そうやって生徒が授業を「面白いから聞かないと損だ」ととらえてくれることをいつも願ってるのだ。そして自分自身もまたそうやって授業をすることを楽しんでいるのである。
今、授業で万葉集や古今和歌集を教えている。こうした歌集にはたくさん入ってる恋の歌は、どうして教科書にはあまり載っていないのだろうか。
たとえば高橋虫麻呂のこんな長歌がある。千人万首のサイトから引用しよう。
筑波嶺に登りて嬥歌会(かがひ)をする日に作る歌一首 并せて短歌
鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に
率(あども)ひて 娘子壮士(をとめをとこ)の 行きつどひ かがふ嬥歌(かがひ)に
人妻に 我(わ)も交はらむ 我(わ)が妻に 人も言問へ
この山を うしはく神の 昔より 禁(いさ)めぬわざぞ
今日のみは めぐしもな見そ 事も咎むな(9-1759)
【通釈】鷲が住む筑波山の裳羽服津の津のほとりに、誘い合って男女が集まり、歌い踊るこの嬥歌で、人妻たちの中に俺も混じり込もう。俺の妻に、人も言い寄るがよい。この山を支配する神が、昔からお許し下さっている行事であるぞ。今日だけは、めぐしも(語義不詳)見るな、咎め立てするな。
この中にある「人妻に 我(わ)も交はらむ 我(わ)が妻に 人も言問へ」というフレーズにはかなりのインパクトがある。スワッピングというか乱交というか、こんな文化がかつて存在したという驚きである。
朝日新聞の書評欄でこういう本が紹介されていた。興味深い内容である。
- 作者: ロジャーローウェンスタイン,Roger Lowenstein,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 中村克
- 出版社/メーカー: サンクチュアリパプリッシング
- 発売日: 2009/02/26
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