父と暮らせば11
お正月の買い物の中で「お菓子」を買っていなかったことを思い出した。父を連れ出してお菓子を選ばせることにした。家からクルマで10分くらいのサティに行く。ふだんと違ったところに出かけたのは、父がそこに行きたいと言ったのだ。知人が果物屋をやってるかららしい。しかし、父の知人の店の場所がよくわからず、結局会えずじまいだった。お菓子を買うとき、私はできるだけ安いのを選ぶのだが、父に「なんでも買ってええよ」と言うと、好きなモノをぽんぽんかごに放り込むモノだからかなり豪勢な買い物になってしまった。そして、お造りの盛り合わせ(これも高かった)を見て、「これ買って食べよう」と父は言い出したからそれもかごに入れた。まあ、あわせて一万円も行かない金額だから別にかまわないけど。父の好きなお菓子は「宿木」と呼ばれる半生菓子である。他にもとにかく甘いお菓子が好きだ。糖尿病を心配してしまうけど、このくらいの年齢になれば糖尿病で死ぬのも老衰で死ぬのも同じことだからと父は好きなモノをやめる気配はない。ただ。タバコの本数は減った。リビングでは吸わなくなったからである。