江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

帰去来之辞

 中国の詩人の中では陶淵明が特に好きだ。中でもこの詩がいい。冒頭の8句だけを引用する。

帰去来兮
田園将蕪胡不帰
既自以心為形役
奚惆悵而独悲
悟已往之不諌
知来者之可追
実迷塗其未遠
覚今是而昨非

帰去来(かえり)なん いざ
田園 将(まさ)に蕪(あ)れんとす胡(な)んぞ 帰らざる
既に自ら心を以て 形(かたち)の役(えき)と為す
奚(なん)ぞ惆悵(チュウチョウ)として 独り悲しまん
已往(いおう)の 諌(いさ)められざるを悟り
来者の 追うべきを知る
実に 塗(みち)に迷うこと 其れいまだ遠からず
今の是(ぜ)にして 昨(さく)の非なるを覚る

試訳
さあ、故郷へ帰ろうよ。
故郷の田や畑は荒れ果てようとしているのにどうして帰らないのか。
これまで、生活のために仕官して心を身体の奴隷にしてきたことを、
どうしてくよくよと恨みに思うことだろうか、もう思うまい。
過ぎ去った過去は後悔しても無駄だと悟り、
未来に何を求めるかを考える。
道に迷ったことは、まだそれほど遠くはない。
いまの自分が正しく、これまでの自分は間違っていたのだ。

 いまの自分の気持ちにはこの詩が合うのだろうか。

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