江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

河合楽器

 中高年に楽器ブームが起きてるそうだ。「スイングガールズ」なんて映画もあったし、定年後の豊かな熟年ライフを支える趣味に音楽は悪くない。そうしたことを報道されてか、7952河合楽器の株価はかなり上昇していた。その値上がりを支えるための提灯記事もはめ込みメディア、いや株式新聞などに書かれていた。それを参考にして買っていた個人投資家も多いだろう。さて、11月18日(金)の引け値は314円、年初来安値の152円から実に二倍以上に上昇してきたのである。日経平均上昇の恩恵を被ってるとは言っても、上昇の勢いが激しすぎる。決して足下の業績はよくはない。利益も、土地を売却して帳尻を合わせてるくらいだ。それでもいちおう上方修正ということで金曜日も買われたのである。そうして金曜の後場が引けてからニュースが出た。MSCB発行である。さて、このMSCB、要するに40億円の資金を調達するために河合楽器が発行する無担保社債で、新株予約券がついていて、転換価格は当初314円と設定されている。この価格で転換されれば河合楽器株は約1200万株増えるのである。20%ほど株主価値が希薄化するわけだ。そんなことがわかっていれば、投資家は買わなかっただろうし、ここまでの値上がりもなかっただろう。そうなると、この不自然な上昇は仕組まれていたということは言えないか。つまり、250円の株価から2割下がるのではなく、2割分を上がらせておいて、元に戻しただけなら元の株価が維持できるというからくりである。労せずして河合楽器は40億円を手に入れ、その分は自分の持ち株の価値を目減りさせられた河合楽器の個人株主が負担させられるのである。全くもってばかばかしい話である。


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