京都でデート6 鞍馬神社
京都の鞍馬神社にはケーブルカーがある。一度だけそれに乗ったことがある。大学の3回生のころ、一つ年下の女の子とデートしたときだ。彼女は小柄だったがかなり巨乳の部類で、胸元を突き上げるようなそのふくらみに私はいつもどきどきした。今では巨乳など掃いて捨てるほどそこら中にいるが、当時はものすごく珍しかった。
しかし、彼女とは手をつないだことがあるだけで、キスもしなかったし、もちろんそのふくらみを直に目撃するということもなかった。なんてもったいないことかとかなり後悔している。
今は結婚した彼女から、年に一度印刷された年賀状だけが届く。
私がクルマ*1を買って、それでドライブしたときに「どこに行く?」と聞いたらなぜか彼女は「鞍馬神社」と希望した。なぜ彼女はそんなところを主張したのだろうか。
珍しく他にもデートしてるカップルが居た。彼らは私たちが近づくとぱっと離れた。抱き合ってるところだったようだ。もちろん当時の私には、そんなふうにするためにはどんな手続きが必要なのか、よくわかっていなかった。
もしも今の自分があのころの自分の肉体に乗り移って、可能性のある女の子にどんどん声を掛けていたらどんなことになっていただろうか。きっとろくでもない結果を生み出し、自分は女に刃物で刺されて死ぬような羽目になっただろう。そう考えると、不器用だった頃は決して自分にとってはマイナスの日々じゃなかったんだと思いたい。
彼女はミムラによく似ていた。