暗証番号を忘れる人
私は世間にいる「暗証番号を忘れる人」たちが苦手である。なんでそんな大事なことを忘れるのか。あんたは痴呆症か！と怒鳴りつけたくなるのである。たとえばゴルフ場のロッカーなどでカギのかわりに４桁の暗証番号を入力するようになっていて、そこに自分が入れた暗証番号を忘れる人がよくいるそうである。私にはそういう人たちが信じられないのである。なんで忘れるのか。
もうずいぶん昔のことだが、私の実家がスーパーを経営していた頃、社長である兄が「大番頭」というソフトを導入して、その起動時の暗証番号を自分で変更した後、変更後の番号を忘れたということがあった。その後どうなったのかは覚えていないが、高価なソフトがそれだけで使用不能になったような気がする。その後使われてなかったようだし。
自分のキャッシュカードの番号だけではなく、私は証券会社の自分のＩＤ番号や外貨取引の番号、友人の電話番号などかなりの数字を記憶している。もちろん数種類の暗証番号も含めて。
そう、いろんなセキュリティを必要とするサイトに入るときに使うＰＷは、最近は長くなってしかも英字と数字と記号を全部使わないと行けないとかいうのもあって、そういうもろもろを管理するのはなかなか大変なんだが、私はそれをメモにすることもなくみんな覚えて対処している。しかし、自分が突然死んだら、回りの者はその処理に困るだろうなあと思う。どこかに一覧表を作っておくべきかも知れない。縁起の悪いことだけども。
つい先日、ある暗証番号が教えてもらった数字と違った。それで電話をかけて「番号が違う！」と伝えたら「ごめん、忘れた」という答えが返ってきて、私は携帯電話に向かって「なんでそんな大事なもの忘れるんや！」と怒鳴ってしまった。
この世には忘れてはならないものがある。誕生日、結婚記念日、命日。
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