江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

G(ガッツ)先生の思い出

 高校一年の時に私の英語(グラマー)を担当された先生は、その風貌から「ガッツ」と呼ばれていた。ガッツ石松に実に良く似ていたのである。私のような不真面目な生徒を撲滅するために特に熱心であった。しかし、高校一年の時の私は特に不真面目で小説ばかり読んでいて授業中はよく寝ていた。よく寝ている私は授業に全然ついていけずに試験はいつも赤点、この先生の科目で学年最低点をとったこともあった。そんな私を許せないと思ったのか、ガッツ先生は毎時間のように私を当てるようになった。
 いつの間にか、毎時間自分が当てられることが一つのお約束になって、そして当たることの対策のためにとりあえずはちゃんと予習しないと思うようになって、予習するために教科書ガイドを買って授業の前に全部理解しておこうと準備したりして、そのうちに自分の成績は上がっていった。
 あの頃の自分はG先生が嫌いだった。「オレばかり当てやがって」「出来ないと思ってばかにしやがって」という気持ちでいたに違いない。指名されて訳せなかったそのときにG先生から「なんでや、やさしい単語ばかりやないか」と言われて「やさしい単語も集まれば難しくなるんです」と負け惜しみを言ったことを覚えている。クラスのみんなは爆笑だった。英文解釈教室 改訂版英文標準問題精講
 その後自分は英語を克服した。気がつけばちゃんと英語は自分の得点源になっていた。毎日英語の勉強を3時間くらいしていたなあと思う。それまでの自分がまるで勉強していなかったわけで、時間を掛ければちゃんとできるようになる。それに気がついたのだ。しかし自分は長いこと思っていた。「自分が英語が出来るようになったのは自分の努力の結果だ」と。
 良い教師はそれなりに良い教え方をするかも知れない。しかし、最高の教師というのはきっかけだけを示して、生徒には「自分でやった」と思わせて結果を出すのではないか。今思えば、G先生というのは自ら敵役になることで生徒の敵愾心を煽り、結果として成績UPにつなげたのだということができる。その意味では自分は今も遠くG先生には及ばない。生徒から「あの先生の授業はよくわかる」といわれているうちはまだだめだ。「あいつなんか大嫌いだ」といわれてるのに不思議と生徒たちの成績はいい。そんな存在こそ希有の教師なのだろう。わかりやすい授業なんてその場限りのものであり、どうせ試験が終わればみんな生徒は習った事を忘れている。真の学力は自分で必死でつかみとらないとだめであり、そのきっかけを与えることができるほど有能な教師はほとんどいない。

  投票ありがとうございます。(←ブログランキング投票ボタンです。みなさんのお心遣いのおかげで11/2 23:17現在で36位とかなり上昇しました。50番以内に踏みとどまるためにも、これからも毎日家と職場で2回の投票クリックをお願いします。職場で昼休みに読むのはOKかも!


↑年会費無料のENEOSカードは特典いっぱいです。
恋人にはマウスを贈ろうキャンペーン中!
格安価格で本を書う       教師EXAの秘密の部屋(本サイト)
個人サイトランキング投票←堂々の3位です!   江草乗にメッセージを送る