江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

逆配当金

 ジャスダックトッキという会社がある。この会社のHPの配当金のところになんと−225円と書いてあったので爆笑した。何らかの手違いがあったのだと思うが、今見ると0円になっているので間違いだったのだろう。配当金というのは普通もらうものであり、株主が払わされるなんて悪い冗談としか思えない。しかし、その会社の株価が値下がりして行けば、実際はそれだけ払わされているのと同じことである。案外この−225円というのは「これからそれくらいは値下がりしますけど覚悟してくださいね」という親切な警告なのかも知れない。
 実際のところこのトッキの株価だが、6/4の750円から8/30の326円まで3ヶ月近くで半値以下に下げている。その暴落の理由として、8/17に出たIRで下方修正が発表され、従来の黒字予測が47億円の赤字に修正されたことでストップ安になったことが大きい。もうひとつの理由はこの会社が株価のまだ高かった頃に増資を行って大量の新株を発行していることである。3月〜6月までに23億円の資金を増資によって調達しているのである。それだけの大量の浮動株が市場にばらまかれ、個人投資家がそれを高値で掴み、そしてこの下方修正である。こういう企業を見ていると、ライブドア粉飾決算なんかまだまだかわいいものだという気がする。じゃんじゃん株券を刷って一株価値を希薄化させて株主の資産を食い物にしてるのだからひどい話である。
 トッキは来季の決算も黒字予想で出してるのだが、なんと下半期の売上高が3倍に伸びるとなっている。これもまたあり得ない数字である。おそらくまた下方修正してくるのだろう。はめ込み新聞じゃなかった株式新聞では「来期黒字転換」というところだけ強調していた。まあ株式新聞はいつも詐欺の片棒を担いでるような者だからこの記事も毎度のことである。売り上げを出すためには受注が必要なのだが、実はそれだけの受注はまだないのである。ここの製品は受注から製品化まで一年くらい掛かるものが多く、つまり 受注がない=売り上げにならない ということなのだがその矛盾は説明されていない。このデタラメの決算書を見ていて、こんなのをそのまま出す監査法人は処分されるべきだと思ってしまったぜ。まあ突っ込みどころ満載の決算短信だったと言っておきたい。
 トッキの主力事業は有機ELである。ここにチャレンジした先見性の明はあったかも知れない。しかし、悲しいかな研究開発費にせいぜい4〜5億しか掛けられない中小企業の悲しさで競争に敗れてしまったということである。決算短信にはさらに驚くべき事実が書かれていた。こんな事まで書くのか?

 当社グループは、当連結会計年度において、売上高については7,194,979千円と前年同期に比べ6,605,297千円の大幅減となり、2,347,104千円の経常損失及び4,776,593千円の当期純損失と重大な損失を計上することとなりました。当社は、当該状況に起因して、金融機関数行より、短期借入金の契約の更新に応じてもらえず、短期借入金の一括返済を求められております。そのため、今後の資金繰りに重要な影響を及ぼすおそれがあり、継続企業の前提に関する重要な疑義が存在しております。
短期借入金の返済については、今後の運転資金との兼ね合いも有り、金融機関に対して短期借入金の維持及び計画的な返済を申し入れており、協議中であります。金融機関数行から同意は頂いておりませんが、引き続き短期借入金の維持及び計画的な返済について同意を得るべく協議を継続しており、同意が得られるものと判断しております。

 要するに銀行から「貸しはがし」にあってるということである。これではもう終わってると思うのだが・・・ここからの復活なんて可能なのか。

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