幸福の王子
勤務先の図書館になぜかこの本があった。オスカー・ワイルド原作、「幸福の王子」である。作品自体はよく知られてるわけだが、実は作者がオスカー・ワイルドであることを私はこの本を手にとってはじめて知ったのである。以前に読んだときは原作者が誰かなんて考えもしないような子どもの頃だったはずだ。
- 作者: オスカー・ワイルド,建石修志,曽野綾子
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2006/11/29
- メディア: 単行本
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曾野綾子は訳者後書きの中でこのように語っている。
どの作家にも、この一作を書き終えたら死んでもいい、と思う作品があるはずである。もし私がオスカー・ワイルドなら『幸福の王子』はその作品だ。もっともいい加減な作家ほど、生涯にこの作品を完成させたら死んでもいいと思う小説が、四編も五編もできるという甘さがあるし、私はオスカー・ワイルドの研究家ではないので何も言い切ることはできないが、この作品は世界の文学史の中できらりと光る頂点に立つ作品であることは間違いない。
近頃の人々は読書をしなくなった。もし一人の人間が生涯でたった一冊しか本を読まなくなり、それも聖書のような或いはドストエフスキーのような重く長い作品は読めないということになったら、その時、そのたった一冊に選ぶのは、私なら『幸福の王子』だ。もっとも他にも数編そうした未練を残す作品はあるが、さし当たりこの作品から選ぶだろう。
短い作品なので何度か読み返しながら、無償の愛というものの意味について考えた。娘のために代理出産した母親のことを以前に日記に書いたが、誰かのために自分の命を引き換えに出来るような愛というものでなければその意味がない。そんな愛情を誰かに対して持つことが出来るだろうかと。
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