江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

私の読書遍歴その1

 小学生の頃は図書館で借りてきた歴史や自然科学、伝記ものなどを乱読していたが小説などという泥沼にはまることはなかったのである。小説を本格的に読むようになったのは中学校に入ってからだ。家には母が昔買った集英社の日本文学全集があった。夏目漱石谷崎潤一郎芥川龍之介三島由紀夫も、読もうと思えばすでにこの中に入っていた。しかしまだ中学生の自分が読む気になったのは芥川の短編小説くらいだった。中学3年の時に転校した先でMというSF小説好きの少年に出会い(おーい、いまいったい何をしてるんだよ!)、文芸部なんてものがあったのでちょっとSFチックなものを書いてみたり(受験生なのに何してるんだ)した。そして小松左京筒井康隆豊田有恒平井和正半村良という草創期の日本のSF小説を支えた人たちの作品に出会い、激しくのめり込む。この乱読はその後も大学生になってからも続く。自分にとっての小説の入り口はSF小説だったのである。この頃の自分にとってのベストを選ぶならば、「果てしなき流れの果てに」(小松左京)、「七瀬ふたたび」(筒井康隆)、「モンゴルの残光」(豊田有恒)、「狼の紋章」(平井和正)、「産霊山秘録」(半村良)である。中でも小松左京は特に気に入って、おそらく文庫になっていたものは全部読んだはずである。SF好きでありながら海外の本格SF(早川SF文庫などで当時出ていた)を読むほどではなかった私にとって、小松左京の作品は十分にあこがれを満たしてくれたのである。もっとも海外SFもハインラインの作品はけっこう気に入って読んでいた。読みやすく感じたせいだろうか。歴史が好きだった自分にとって、歴史を壮大なフィクションのストーリーにしてしまう「モンゴルの残光」や「産霊山秘録」のすごさには完全に打ちのめされた。きっと若い方たちはそういうSF小説の古典など知らないような気がする。小松左京でさえももはや忘れられた作家なのかも知れない。どんどん新しい人が出ているからだ。しかし、一度でも読んだらきっと虜になるはずだ。

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