弁当

　入学式の準備のために、いろいろと大変だ。事務的な作業がたくさんあって、それにしっかりと追われている。プリントを用意したり、数を確認したり。それから四月から使用する教室の管理。落書きがないか、壊れてる箇所はないか、掃除用具はそろっているかなどを点検する。生徒は公共物を大事にしない。これは昔からそうなんだが、今は自分の物も大切にしない。名前を書かないし、すぐになくす。そういったところがいいかげんな生徒は、たいてい成績も悪い。すべて根っこは同じなんだと思う。
　学校は勉強をする場所だ。しかしその学校に平気で勉強に使う物を忘れてくる生徒が居る。教科書を忘れる。宿題を忘れる。ノートを忘れる。しかし、そういう生徒が絶対に忘れないものがある。それは弁当だ。教科書やノートを忘れたら誰が困るのか。隣の生徒に見せてもらうとする。机をくっつける。するとおしゃべりする。それを注意することになる。授業が中断する。こういうことはものすごく迷惑なことである。単なる忘れ物と軽く考えていてはいけない。それは他の生徒の学習権の侵害である。
　しかし、弁当を忘れても困るのは自分だけだ。お腹が減るのは自分であって他の誰でもない。弁当を忘れたヤツが居ても誰も困らないから、弁当ならいくらでも忘れていい。そんなどうでもいい弁当は絶対に忘れない。

　てめえら、学校に来てる目的は弁当喰うことか。勘違いするなよ！