江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

北朝鮮の暮らし


 脱北者の語った内容に衝撃を受けます。
 

タイで拘束後、小部屋に閉じ込められた 40代女性
2015年5月29日16時00分


脱北者の証言:43 40代女性 2009年2月に脱北(同年5月に韓国入国)
 ――脱北した理由を教えてください。
 食べて生きていくためだ。人間の悲しみの中でも、一番の悲しみは飢えの悲しみだ。おなかがすいて仕方がなかった。脱北して最初は中国に行った。だが、捕まれば、送り返される。韓国に行けば、家を与えられ、国籍もくれると聞いた。
特集・脱北者の証言
 ――どのようなルートで脱北しましたか。
 2009年2月に北朝鮮北部の茂山から豆満江を渡り、中国東北部の延吉に行った。ブローカーが引き渡してくれた。当時、ブローカーが500元を中国人に渡していた。ブローカーは長兄の友人だった。
 ――その後はどうしましたか。
 延吉で数日、隠れていたが、私は別の場所に連れていかれた。そこがどこかはわからない。ある人が「韓国に行かないか」と提案してきた。延吉で汽車に乗り、中国南部の昆明まで行ったら、人が迎えに来ていた。そこからボートとトラックに乗って、大変な思いをしてタイに行った。
 ――タイで警察に捕まったのですね。
 一晩その周辺で過ごしたが、言葉が通じないから、口がきけないふりをした。そこに来る北朝鮮の人は多いから、言葉が話せないふりをしていることは、地元の人たちも知っている。一晩泊めてくれて、風呂にも入り、バスに乗る場所まで連れて行ってくれた。そこへ行くと北朝鮮の人が全員集まっていた。
 ――そこからどこへ行ったのですか。
 罰金を払って、バンコクまで行った。20人で警察署に行くと、韓国大使館から職員が来た。その人たちと書類を書いたら、鉄格子のある部屋に入れられた。小さな部屋に100人が閉じ込められた。以前は400人が座っていたと聞いた。
◇鉱山の仕事、月3回遅刻したら配給なし
 ――北朝鮮では、鉄鉱石の鉱山で働いていたそうですね。
 私は石を砕いてベルトコンベヤーに下ろす作業をしていた。1日8時間、坑道の中に入っていた。1日3交代。朝の組は9時から夕方5時まで。その次の交代が夜1時まで。その次の交代が1時から朝9時まで。シフトは週に1回ずつ変わる。
 ――家ではどんな生活を送っていましたか。
 夜勤明けの場合、朝9時に仕事が終わると家に戻り、夜の11時まで寝る。鉱山まで、韓国は車があるが、北朝鮮では歩かないといけない。そうなると2時間前には準備して出かけなければならない。月に3回遅刻したら配給を止められる。出勤したら、事務所で「総括」をして作業内容を決める。「おまえは1号を見ろ」というふうに決める。それが終わると現場に入る。服を着替えて自分の機械の場所に行って引き継ぐ。機械が正常に動いているか、壊れた所はないか、掃除はきれいにしたか確認してから、仕事を始める。
 ――鉱山内の空気はどうでしたか。
 空気は悪い。ほこりは尋常ではない。真横にいる人もよく見えない。肺に悪いので栄養剤としてゴマ油が出る。食券に「油票」を付けて出すと、一さじのゴマ油を出してくれる。効果があるかどうかは分からない。飲み続けたが分からなかった。韓国のように健診を受けたり、治療を受けたりすることがないから。そうやって生きてきたから、そんなものかと。
 ――かなり重労働ですね。
 韓国の人は1時間も我慢できないはずだ。80年代に入った時には電灯が全部ついていた。90年代になると、電灯を売っている所がなくなった。電灯をつけると、家に持ち帰って売ってしまう。真っ暗な所で手探りで持っていくのは危険だ。韓国では女性がそんな仕事をするなど考えられないだろう。
◇ケガしても労災保険なし
 ――ケガも絶えないのでは。
 以前は死ぬ人も多かった。夜の仕事だから疲れる。回っているベルトコンベヤーに少しでも近づくと手がすーっと入る。入った手を引きぬけなければ体が入ってしまう。
 ――ケガをしたことはありますか。
 私もベルトコンベヤーの中に腕がひじまで入ってしまったことがある。掃除をしていたところ、ベルトコンベヤーに手が入ってしまった。手首の下にまだ傷が残っている。19歳の時だった。手のひらの傷は消えたけど、手首の傷はまだ消えない。
 ――どんな治療を受けましたか。
 病院に行って治療を受けた。韓国では労災保険に入って処理するが、北朝鮮にはそんなものはない。事故が起きれば「事故審議」をする。どうして手がベルトコンベヤーの中に入ったのか、話し合う。その日は働きに行けない。そうなると診断書が必要だ。ただ、診断書を提出すれば、班長が追及される。責任を取らねばならないからだ。だから、班長は診断書の作成を嫌がる。そのため診断書を提出せずに、出勤しなければならず、治療を受ける時にはこっそり病院に行って治療を受け、そのまま戻ってきて現場で働かねばならない。
 ――鉱山の仕事はどうしてやめたのですか。
 年を取ると行きたくない。夜、寝ていても出てこなければならない。しかし、なかなか辞めさせてくれなかった。辞めるには、上層部や上司の同意が必要だ。彼らの印をもらってから労働部に行って届けを出す。全て労働部で管轄している。私は結婚するので辞めさせてほしいと言った。女性は結婚すればおしまいだ。
 ――結婚はしましたか。
 人を介して27歳で結婚した。少し遅い方だった。適齢期は23〜25歳。仲介をした人がうそをついた。夫になる人の兄だけに会い、その弟と結婚したら、弟はアルコール中毒で、けんかばかり。半月で逃げ出した。その元夫は軍隊に行って、酒を飲んでけんかをしたあげくに頭を打ち、除隊を命じられた人だった。意識がもうろうとして、診断をせずに家で休んでいた。
◇お風呂はなく川で体を洗った
 ――北朝鮮で暮らしていたとき、お風呂はありましたか。
 なかった。2、3人ずつ女性たち同士で夜、川辺に出て体を洗った。そこで体を洗っていて男性が来ると、服を持って逃げた。それを見るのが好きな男性もいた。一目散に走って逃げた。いくら私が女でも、まずは食べることが大事だ。食べたい気持ちしかないため、体をきれいにすることが、それほど大切なのかと考えたこともあった。
 ――電気は来ていましたか。
 きちんと来ない。石油を燃やして、少し明かりをつけただけで鼻の穴が真っ黒になる。油が買えない時には、明るいうちから夕飯を早めに食べる。その後はひたすら横になっておしゃべりをする。そして寝る。豚のような生活でしょう。
 ――携帯電話はありましたか。
 ない。中国製の携帯電話はあったが、中国に知り合いもいないし、おカネもないので購入など考えたこともなかった。見たこともなかった。電話をかける際は、郵便局の公衆電話を使うのが普通だが、それもかける相手がいない。自分が食べていくのに精いっぱいで、互いに近況を知らせ合う状況にない。
 ――北朝鮮内の移動はどうでしたか。
 汽車は、切符がなければ車両のてっぺんに上がって乗る。ドアの横にぶら下がることも。汽車賃が高いわけではないが、旅行証明書が必要だ。車両のてっぺんにも上がると、人が多いので検閲ができない。取り締まりの罰金は人によって違う。目的地まで来たのにカネが払えなければ警察に引き渡される。そこでまた調書を書いて出てくる。一度捕まり、警察が管轄する「集結所」に入った。1週間で釈放されたが、警察に逆らうと殴られる。
 ――それはひどいですね。
 言うことを聞かなければ殴られる。言うことを聞かない人もいる。様々だが、足で蹴り、横っ面を張り倒す。足で尻を蹴る。入って1人か2人は殴られる。私はそういうのを見ると黙っていられない。「少し手加減しろ」と言う。女性はそれほど殴られない。
金正恩氏の名前「聞いたことがなかった」
 ――金正恩(キムジョンウン)第1書記の名前は聞いたことはありますか。
 脱北する直前まで、聞いたことがなかった。北では故金日成(キムイルソン)主席、故金正日(キムジョンイル)総書記のことはうわさにできない。名前すら勝手に呼べない。金正日総書記に息子がいることは知っていたが、名前は知らなかった。そんな深くまで知りたいとも思わないし、政治犯として連行されるおそれがあるから考えない。これが一番恐ろしい。
 ――韓国での生活に満足していますか。
 普通だ。満足しているとは言えない。文化の違いから適応できない。政治の話もするし、色々話すが、話が聞き取れない。外来語が多いからかもしれない。
 ――韓国では、脱北者への差別はありますか。
 北朝鮮から来たというと雇ってくれないことが多い。「北朝鮮の人間はダメだ」という。中国人など外国人は大丈夫なのに、なぜか分からない。「働いた経歴がないからダメ」のひと言だ。北朝鮮の人は元来、怠け者ではない。食べられないから、仕事ができないのだ。生活条件を整えさえすれば皆ちゃんとやる。
 ――脱北という決断をどう思いますか。
 韓国に来たのは良かった。自由は良い。思い通りにできる。じっとしていても、遊びに行きたいと思えばどこにでも行ける。自分がやりたいようにできる。働きたければ働き、遊びたければ遊ぶ。北朝鮮は遊んではダメだから。
 ――統一後に北朝鮮に戻りたいですか。
 統一したら故郷で住みたい。自分が生まれ育った故郷だから。

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