韓国リニア
こんなこと、日本ではありえないですね。さすが韓国!
韓国初の商用リニア「仁川空港マグレブ」は、年内の営業運転開始が絶望的な状況となった。韓国・仁川国際空港〜龍遊(ヨンユ)間の6.1キロを結ぶ韓国リニアは、最高時速110キロの都市型磁気浮上式鉄道。日本で2005年の「愛・地球博」にあわせて営業運転を開始した愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)と同じ仕組みだ。日本ではスムーズに開通した都市型リニアだが、韓国リニアは“純国産”にこだわったためか、12年の完成から2年あまりたってもトラブルが続き、開業は見送られたままだ。「日本に次ぎ、世界で2番目」との意気込みもむなしく、自国内でも冷ややかな声が出始めている。
■トラブル相次ぎ運行延期
香港新国際空港やシンガポールのチャンギ国際空港、米アトランタ空港など、世界の主要空港の新交通システム(無人列車)に信号システムを納入したトップメーカーの京三製作所(横浜市)。だが、韓国リニアへの技術供与については「わが社のブランドとして、かかわっている部分はない」と否定した。同社によると、韓国リニアに関しては、一部の機器販売などにとどまり、技術供与などの本格的な協力は行っていないという。
だから、というわけでもないだろうが、10年に着工した問題の韓国リニアは、12年11月に第一期区間6.1キロの工事を終えたものの、営業運転の開始予告と延期を繰り返し、いまだ正式開業に至っていない。
当初は13年9月の開業を見込んでいたが、完工直後のチェックで641件の問題が見つかり、運転開始を延期。速度検出センサーのエラーや、車両と信号間の伝達エラーなどシステム面のトラブルのほか、冬季の排水管や電力線の凍結防止設備や軌道上の保守通路がないなど、大幅な改修が必要な設計上のミスも少なくなかったという。
14年5月には国内外の報道陣を集めて、大規模な試乗式を開催し、同年7月中旬の営業開始を宣言した。だが、翌月には運転開始を9月に延期、9月には当面延期と修正を繰り返した。実用化事業団は14年内の運行開始をぎりぎりまで探っていたが、手続きが間に合わず営業開始は来年以降にずれ込む見通しとなった。
聯合ニュースなどによると、7月以降の試験運行でもまだ161件のシステム障害があり、列車自動運転装置など重大なシステム障害も含まれているという。このため地元の仁川市は、運行開始を来年6月に延長するよう求める検討に入ったという。
■商用化計画も暗礁
韓国が国家研究開発事業として始めた韓国リニアは、政府や仁川市、仁川空港公社などが約4000億ウォン(約440億円)を投じた、国家プロジェクトだ。都市型リニアを「日本に続き、世界で2番目に実用化」した韓国の鉄道技術を、14年の仁川アジア大会で国内外にアピールする思惑だった。
だが、度重なる運行延期に代表的な予算浪費事例、との批判の声も根強く、「仁川空港マグレブは欠陥だらけ」などと批判的な報道もなされた。
こうした中、大田市の権善宅(グォン・ソンテク)市長は12月4日、韓国リニア方式で建設が決まっていた都市鉄道2号線を、路面電車(トラム)方式に変更すると発表した。建設コストや都市の景観保護などが理由とされるが、自前のリニア技術の商用化第一号と目されていた大田市の“離反”で、本格的な商用化は宙に浮いた形となった
■海外輸出はロシアが食指
自国内でも“黄信号”がつく韓国リニアに食指を動かしたのはロシアだ。韓国リニアの開発にあたった韓国機械研究院は12月17日、ロシアの連邦地域発展委員会と磁気浮上列車の輸出のに向けた包括的業務協約を結んだ。実用化に向けた共同研究や人材・情報交流を行うことなどが柱だ。
韓国は開発当初から、自前のリニア技術をインドネシアやロシア、アラブ首長国連邦へ輸出する考えだった。だが、国内の実用化すら進まぬ状況では、技術輸出もままならない。ロシアとの協約締結は、逆風にあえぐ韓国側にとって干天の慈雨だったにちがいない。
もっとも、ロシアはウクライナ情勢を巡る欧米からの経済制裁に加え、原油価格の下落に伴うルーブル暴落など、経済的な混乱が広がる。果たして韓国がもくろむ「リニア輸出」がスムーズに進むかは疑問だ。
鉄道は、万一トラブルとなれば多くの人命にかかわる。営業や輸出など目先の利益と安全確保をてんびんにかけることのないよう祈るばかりである。
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