ああ宿題
宿題はなんのために出すのだろうか。これは教育関係者にとって永遠の命題である。
「宿題を出さないと全然勉強しなくなる」と主張する先生も多い。だから夏休みとかになるとものすごい量の宿題が出される。提出された課題を見て、その点検にかかる労力を思うと暗澹たる気持ちになる。出した以上、その宿題にきちっと生徒が取り組んだかどうかを検証して評価しないといけないからである。
そうして宿題の中味を個別にチェックするのだが、するとまじめに時間を掛けて取り組んだのかそうでないのかはたちどころにわかる。しかし、評価の段階でその違いを反映させて、こちらは１０点、こちらは２点というふうに差を付けた場合、その手抜き宿題をした生徒は「ちゃんと書いてるのになんで点数が低いのですか？」と抗議するだろう。つまり、手抜き宿題をする生徒には、手抜きであっても完成させたことによるなんらかの評価を期待するのであり、その中味が手抜きであるかどうかは関係なく、宿題を出したということに価値があるのだ。
ただ、形だけ完成させていても、中味を理解していない、つまりそれが勉強の結果に結びつかない生徒も多いわけで、このたくさんの宿題を本気で時間を掛けて取り組んだらものすごく受験に役立つのになあ・・・と思うが、多くの生徒にとってその宿題は「作業」であって、やったことの中味など速攻で忘れているのである。
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