公立高校理数科のこと
大阪府立天王寺高校には理数科が設置されている。定員は８０名である。ここは大阪府全域から受験でき、しかも試験の日程が早い・・・（つまり本番の受験前に力試しで受験できる）ということもあってかなり偏差値が高いのである。どうも息子たちの通う中学校からはこれまでに一人も合格していないらしいのである。今年も長男の塾のお友達が受験したがあえなく全滅だったという。
そんなに優秀なお子さんたちを集めて、さてどのくらいの進学実績なのかと調べてみた。天王寺高校のＷＥＢサイトに行けばちゃんと公開されている。８０人中、東大３ 京大２９ 阪大６（医学部１）神戸大６（医学部１）大阪市大２（医学部１）という堂々たる実績である。しかし、少し物足りないとも思うのである。それだけ優秀な生徒を集めた以上、全員が東大・京大に入っていてもおかしくはない。しかし現実はそうではないわけで、浪人する生徒もいるわけである。過去に遡って見てもけっこう浪人生が多い。卒業生が半分くらい浪人している年もある。これが公立高校の限界なんだろうか？それとも本当に優秀な生徒は中学受験の時点で灘や東大寺という超難関校に入ってしまうから、公立中学校にはその残りの生徒しか進学しない。上位層が抜けているから、その次に進学する公立高校も実績が上がらないのだろうなあと思うのである。これがその天王寺高校の理数科の進学実績である。
橋下知事は大阪府の公立高校を建て直して、１０校ほどを指定してスーパー進学校を作ろうとしてる。それ自体は意欲ある試みだと思うのだが、それなら中学段階で私学に流れる生徒を確保しないとダメだ。しかし私立の中高一貫校に勤務する私としてはそんなことを大阪府にやられると困るのである。商売敵が強くなると困るので、心の中で「うまくいくなよ」と願う気持ちがあることを否定できないのである(^_^;)
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