ＣＤのいれもの

　ＣＤケースをよくなくす。といってもそれは自分のことではなく、息子や妻のことなんだが、音楽ＣＤであったりゲームのＣＤであったり、パソコン用のＣＤだったりなんだが、いつもケースがないのである。つまり中味だけがパソコンやプレステ２の中に残存しているわけだ。そしてケースがない。どうしてなくすのだろう。そんなものは出したときにちゃんと置き場所を覚えていけばいいじゃないか。そういうわけで、ケースの無くなったＣＤが増えていくので、ケースをわざわざ買って保管できるようにしないといけない。しかし、このケースが１個あたり２０円も３０円もするのである。なんともったいないことだろう。
　先日、ソフマップで10枚入り200円のＣＤＲを買った。もちろんケース付きである。最初はケースを20枚３９８円で買おうと思ったのだが、それと同じくらいで中味のＣＤＲもついていたので、書き込み速度×２４という制限付きのＣＤＲであったが迷わず買った。薄型のケース付きのＣＤＲである。使用する上で全く何の問題もなかった。するとケースは増えたのだが、肝心の中味が余ることになる。さて、この余ったＣＤＲをどうしたらいいのか。いらないＣＤＲをどんどん捨ててしまえばケースは余る。そうやって必要なケースを確保すればいいのだろうか。というふうに実につまらないことで悩んでいるのである。
　夕方に近所のダイソーに出かけた。そこでもＣＤケースが100円で４個セットになって売られていた。２５円は高いと思った。こんなものの値段を気にする自分はなんてせこい人間だろうか。そこでなんと100円の靴下とトランクスを買った。100円の靴下を買い、決して勝負パンツたり得ない100円のトランクスを買う。なんと貧しい人間だろうか。ネット株取引で一日に5000万円の取引をしていることもあるというのになんということだ。でも、そのトランクスはなかなか色合いがいいし、その５本指靴下は履き心地がいいのだ。
　庶民は庶民らしく質素なものを身につけ、安物のクルマに乗り、ユニクロで服を買う。それでいいじゃないか。いかにも金持ちという雰囲気を下手に漂わせていれば、オヤジ狩りに狙われるだけのことである。その方がよほど危険である。

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