お宝

　うちの父親はお宝鑑定団の番組が好きだ。今夜も一緒に見ていたのだが宋の時代の磁器の花瓶が２５００万などと言われると卒倒しそうになる。しかも完全品なら１億5000万だとか。なんてことだ。私はそういう価値なんてものを信じたくないし、中之島の東洋陶磁博物館にある国宝の天目茶碗なども、もしも家にあればそれで永谷園のお茶漬けを自分は食うだろうと思う。その程度の俗物なのである。自分の所有するものでお宝といえば、たぶん自転車のパーツ類だろう。ヤフオクで試しに自分のコレクションしているパーツ類を検索してみてびっくりした。総額で軽く１００万は超えるような感じなのだ。確かに自分はかなりマニアックなパーツを実際に入手しては使ってた。フランスやイタリア、スペイン、英国製のいろんな自転車パーツが我が家にある。イタリアのカンパニョロというメーカーのパーツは当時の自転車好きの若者のあこがれだった。カンパニョロ・スーパーレコードというシリーズのパーツは特に高価だったが、私はそのペダル、ブレーキレバー、ハブ、フロントディレーラーなどを使っていた。ブレーキレバーだけで２万円くらいしただろうか。国産品の吉貝機械金属のブレーキレバーなら2000円もしなかったはずだ。そのときに調子に乗ってオーダーしたランドナーのフレームはメタリックのピンクに塗った。今、その色は暴走族の兄ちゃんがクルマに塗っていたりする。当時の自分の趣味の悪さを嘆いている。もう自転車に乗らなくなって何年になるだろうか。
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