リーディング・バトン
つっちー氏からバトンが回ってきた。氏の語るごとく、私もまた「本棚とはその人の人生」だと思う。いつか書きたいと思っていたことに、機会を与えてくれた氏に感謝したい。
持っている本の冊数
我が家には数えたこともないが、たぶん5000冊くらいは本があるだろうか。それは安いモノから高価なモノまで雑多に存在する。国語教師らしく、小学館の古典文学大系や荷風全集、立原道造全集なんかもあれば、全巻揃えてる「課長島耕作」のような大量のコミックも存在する。この混沌というか雑然が自分の人生なんだとも思うが。
そして現代文や古典、漢文の問題集がたぶん1000冊はある。捨ててもいいのだがこれもなぜか捨てられない。でもたぶんいずれ不要になるから捨てるけれども。
今読みかけの本または読もうとしている本
「打撃の神髄-榎本喜八伝」松井浩
これは書評を見て欲しくなったのだが、まだ入手していない。明日にでも買うだろうか。帰りに立ち寄った本屋にはなかったのだ。
最後に買った本
「幸福な食卓」瀬尾まいこ
これを買って読んでからかなり時間が経ってることに気が付いた。普段の自分ならこんなに長く本を買わないなんてありえない。どれだけ今の自分が忙しい日々を過ごしているかということだ。
特別な思い入れのある本、心に残った本五冊
「国境の南・太陽の西」村上春樹
もしもこの本に出会うのが5年早かったら、自分の人生は決定的に変わっていただろう。それは間違いない。おそらくは自分が一生背負ったままであろう「喪失感」の意味について気づかせてくれたのはこの本である。今でもときどき読み返すし、何度読んでも発見がある。
「博士の愛した数式」小川洋子
残りがわずかになると、読み終えるのが惜しくなるような本だった。結局もう一度最初から読んだのだが。私は心理描写が苦手なのだが、そんな私に「こんな風に書けばいい」と教えてくれる作品でもある。
「100万回生きたねこ」佐野洋子
人はなぜ生きるのか? その命題に答えてくれる作品は私の記憶ではこの一冊しかない。もはや単なる絵本ではない。この本に関して私は「100万回生きたねこ・試論」という文章を書いたことがあるが、それは私のWEBデビュー作でもある。
「吉原御免状」隆慶一郎
時代小説の第一人者は私の中ではこの人をおいて他にない。独特の歴史観に貫かれた中世世界からは想像力がどんどんふくらんでいく。徳川家康は影武者だったのだと信じさせる説得力がある。
「恋文」連城三紀彦
ここに収められた短編小説はどれも「泣ける」作品ばかりである。私にとってこの本は「宝物」の詰まった箱みたいなものである。
しかし、この5冊以上に思い入れがある作品といえば、私が生涯に書いたたった一本の長編小説である「イノコ」をおいて他にない。株式投資で金を100億くらい貯めることができれば、この作品を映画にしてみたい(笑)。