江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

そろばん

 帰宅したら、息子がそろばんに米をかけていた。米はそのまま流しに大量にこぼれている。なんでこんなことをしてるんだ!オレは怒鳴りつけた。「なにしてるんやボケ!」

 事情はこうだ。息子がそろばん塾のカバンの中身のそろばんがカバンを振り回して遊んでいて、ふっ飛んでどろまみれになった。それを水で洗ったところ玉がうまくすべらなくなった。つまり、玉の串刺しになってる木がふやけてふくらんでしまい、そろばんの玉がひっかかるようになったので、そろばん塾のセンセイに聞いたところ、「米の中に突っ込めば、ぬかで玉がすべるようになる」ということだったので、そのそろばんを米袋に突っ込んで抜き差しするべきところを、なぜか息子はそろばんに米をかけていたということであった。

 「なんで振り回したんや!」

 息子はそろばん2級だ。そこまでいくには4年以上かかってる。そんなに長い期間がんばってきたのなら、道具にもちゃんと愛着を持っているはず。それなのになんでそんな粗末な扱いをするのか。オレはそれが断じて許せなかったので叱ったのである。しかも、米をそろばんにかけて流しにそのまま捨ててしまうというなんとも許せないもったいない行動。これもオレから「アホかおまえは!」と罵倒されるに値する行動である。

 しかし、振り回した理由に関しては答えない。これも息子のいつものクセだ。自分が100%悪くて弁解の余地がないとき、息子は語らないのである。もう開き直るしかないのである。妻は「もう新しいそろばん買わないからやめなさい!」と言う。息子も「だったらやめる」と答えている。

 ここは、その調子の悪くなったそろばんをなんとかしないといけない。そうすればすべて解決するはずだ。オレはそろばんを点検した。まず、はしっこが少しゆがんでいる。つまり何かにぶつけてその衝撃で長方形が少しだけ平行四辺形になってることに気づいて、慎重にその修正を行った。次に滑りが悪くなってる玉をなんとかしないといけない。そのためには水をぶっかけたというそのそろばんのしっとりしたところを乾燥させないといけない。オレはそろばんが反ってしまわないように慎重にドライヤの熱風をあてた。それから、滑りの悪い玉を滑らせるように、軸木にロウを塗って動かしてみた。すると少しひっかかりが改善されたようだった。ゆがんだところもちゃんと直して、もとどおりとはいかないまでも使えるような状態にしてから息子に渡した。

「これで、大丈夫かな?」

 息子はしばらく玉をはじいてみて、それから満面に笑みをたたえて「おとうさん、ありがとう」と言った。

 ふう、新しいそろばんを買わなくて済んでラッキー。。。。。