江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

私は物理もできなかった

 私は文学部に入ったが、入試の時の理科の選択は物理と化学で、どちらかというと物理の方に自信があった。数学でかなり点数がとれたこともあり、物理好きの文系というおかしな生徒だっただけである。文系は生物しか選択させない学校があるが、これなどは文系=物理が出来ないと決めつけてるわけで、実は物理は理科の中で一番少ない労力で得点できるということに気づいていないのである。
 でも、高校二年の当初、私は物理が出来なかった。私に物理を教えたのはUという名物教師で、体罰も激しく、出来ないヤツは叩くという恐ろしい教師だった。もちろん最初は苦しんだ。そのうち私は、力学というのがいくつかの公式を理解していればすべてそれにあてはめて解けてしまうという当たり前のことを知り、運動方程式を立てて簡単に倒せるようになった。そうなるともう怖くなかった。「親切な物理」という参考書を手に入れ、その例題を完璧に解けるようになるといつのまにか物理は「満点科目」となっていった。校内模試でも満点をとれた。物理で100点満点をとったのは二人だけだったのに、自分の名前は成績優秀者の張り出しで2番目に書いてあって、Nという生徒が一番目だったことが私は不満だった。アイウエオ順では江草は先に来るはずである。しかし、そのNと私が並んだのはその一科目だけで、他はすべてNが一番、唯一私が単独首位だったと思う科目はNの選択しない地理だった。
 物理は美しい学問だと思う。二次試験でドーム球場の設計という問題を出した大学があって、思わずその場で解きたくなってしまい、新聞記事をコピーしてさっそく取り組んだ。

 大学受験なんてもう26年も前のことなんだ。でも、そのときに覚えた多くの知識は今でも少しも色あせない。