「幸福な食卓」瀬尾まいこ

　瀬尾まいこの本は三冊目だ。「卵の緒」「図書館の神様」とこれまでに読んだ。これで三冊目だけど、三冊目は一番悲しかった。
　試験採点の合間に、少しずつ作った時間の中で読んだ。だから感動が薄くなってしまった。もう一度最初から読もう。
　要領よく生きることができなくて、不器用で空回りばかりして、そしてもがいてるすべての登場人物に共感しながら、「愛してる」ということの意味を思った。ずっと昔の、まだ自分が片想いしか知らなかった頃の恋愛感情を思い出した。最初に恋人から編んでもらった白いベストを思い出した。
　忘れてしまう前に、自分も物語を紡がないといけない。