江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

五月の薫風

 爽やかである。半袖でちょうどいい。暑くもなく涼しくもなく。もちろんエアコンを入れる必要もなく、窓を開けると風が気持ちいい。
 立原道造は死ぬ直前にこう言ったらしい。
「五月の薫風をゼリーにして持ってきて欲しい」
 結核で死ぬときは、死の寸前まで意識は明晰だという。日本がどんどん戦争に傾斜していったあの時代を見ることもなく、街には軍歌ばかり流れる風潮を少し嘆きながら、詩人の魂はこの世を去った。
 立原道造の愛した和歌は、同時に私の好きな和歌でもある。

 あひみしは昔語りのうつつにてそのかねごとをゆめになせとや