江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

馬鹿について

 
 ある事柄を理解するのに、なぜそういうことになるのかちゃんと理解して覚え込む人と、そうでない人がいる。こちらは、その知識を一過性のものではなくて応用力を効かせていろんな場面で役立てて欲しいと思うから、きちっとその答えになる理由を説明して黒板にもしっかりと書く。
 しかし、そのたくさんの説明を書くこと自体を「面倒くさい」と思って答えだけを写し、その答えを暗記して「わかった」と錯覚するヤツが居る。そういう人間のことを私はあえて「馬鹿」と呼ばせてもらう。
 賢い生徒は理解の助けにノートを使う。授業中に板書すべきことをしっかりと写し、ついでに板書されなくて口頭で説明したことも写し、時には私の脱線した話までメモしている。そういう生徒はたいてい成績もいい。
 馬鹿にとってノートとは、授業を受けているというアリバイにすぎない。だから授業中は全然ノートを取らず、後で他の生徒から丸写ししたりする。そうやってどんどん馬鹿になっていくのだが、そういう馬鹿に限って、教え方が悪いと文句を言ったりする。
 私は馬鹿を賢い生徒にできるような神ではない。でも、このような馬鹿が居るおかげで、日本の多くの受験産業は潤うわけで、もしも馬鹿がいなかったら困る人も出てくるだろうと思ってしまう。予備校も塾も家庭教師も、馬鹿が根絶されれば存在価値を失うだろう。

 私が授業をしているときに、隣の馬鹿と馬鹿同士でおしゃべりして何も授業を聞いていない馬鹿がいる。
「てめえ、オレをいったい誰だと思ってるんだ」
きっと、ただのうるさいオッサンと思ってるんだろう。