もう、どうにも止まらない

　先週のＣＭＥ（シカゴ日経平均先物）は大幅安で１６８５０円台だった。金曜日の日経平均は１７２００円台だから４００円近く先物は下げていたことになる。その日の日経平均がどうなるかという指標としてこのＣＭＥはとても役立つ。これだけを手がかりに売買する人もいるくらいだし、資金が多かったら十分にそれで利益が出せる。日本とシカゴの先物の価格差だけを材料に取引するという手法である。今日は当然のように日経平均はその値段に近づいた。そして先週まで強かった新日鐵もついに崩れた。もはや支えるものがなくなってどんどん下げた。悪いことに先週の間は「下げは限定的」という見方が強かったので、個人投資家は強気で買っていた。ところが今日の大きな下げのために先週に買った個人もみんな含み損になってしまったのである。これでますます状況は悪化してしまった。信用取引をして株を買ってる人の中には、この値下がりのために委託保証金が不足する、いわゆる「追証（追加証拠金）」というものが発生した人もいるだろう。必要なお金を振り込めばなんとか危機は回避できる。しかし、翌日にもっと下げればさらに追加でお金を振り込まないといけない。入れるお金がなくなれば、つまり追証が解消できなかったら強制決済、つまり翌日の寄り付きに取引が清算されてしまうのである。これだけ下げがきついとそろそろこいつが大量に出るはずだ。そうなるとさらに下げが加速する。いつになったら下げ止まるのか、今のところ誰にも分からない。
　
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