江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

原発問題の本質

 あの3・11という日本人の価値観を大きく変える出来事を経験してもなお、目覚めることのできない財界人がいることを考えると、第二次大戦の敗戦から何も学べなかった日本人の本質は変わってないのかも知れません。少し前の記事を引用します。この関経連の角和夫という偉そうなオッサンが、三権分立の本質も理解せずに裁判所を権力の思い通りに動かそうとしてることを知ると、深い絶望感に襲われます。
 この馬鹿は、日本史でたとえば「大津事件」について習わなかったのでしょうか。「司法権の独立」がどれだけ大切なことなのか、もしも裁判の結果まで完全に政治権力が支配するとなったらどんな暗黒の時代になるのか、きっと考えることもできないほど馬鹿なのでしょう。
 まあ、この程度の馬鹿が牛耳ってる日本経済がどんどん沈没していくのは必然ですね。もっとまともな人材はおらんのか。今の社会構造がどうなってるのか、問題の本質がどこにあるのか。なぜ格差社会になってしまったのか、50年後、100年後の日本はどうなってるのか。そういうことを私は考えていたいです。少なくとも関経連のこの馬鹿よりは私の方がずっとまともに考えてるよ。

 以下に引用するコラムは「京都新聞」8月24日夕刊に掲載されたものです。
 

原発にまつわる本当のリスク
白井聡 | 京都精華大学人文学部専任講師(政治学・社会思想)
2016年8月28日 2時13分配信
 私は当コラム(6月7日付)で、関西経済連合会副会長で阪急阪神ホールディングス会長でもある角和夫氏の発言を取り上げた。同氏は、関西電力高浜原発3・4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めをめぐる訴訟で、大津地裁が運転停止の仮処分を決定した(3月9日)ことに対して猛反発し、「なぜ一地裁の裁判官によって、(原発を活用する)国のエネルギー政策に支障をきたすことが起こるのか」、「こういうことができないよう、速やかな法改正をのぞむ」等と発言した。
 これを知った私は、次のように論じた。角氏らが自由民主主義社会の基本原則としての三権分立を理解していないのだとすれば、「彼らは中学生程度の社会常識を欠いている」と。また、行政権力と一体化しているごとき彼らが、自分たちにはこの原則を公然と無視する権利があると考えているのであれば、彼らは極度の傲慢と極度の卑屈によって精神を蝕まれている」と。
 この阪急・角発言は、SNS等でもかなり話題になった。だが、「関経連の懲りない面々」は、7月13日の記者会見で再び次のような主張を打ち出した。会見で、森詳介関西経済連合会会長(関西電力前会長)は、「仮処分は民事で扱わない、特定の裁判所でやるとか、いろいろな方法がある」と指摘。「国のエネルギー政策とかかわる原発の運転をめぐる問題は仮処分申請を認めず、知的財産権を専門に扱う知財高裁のような特定の裁判所で扱うべきだなどとした」と報じられた。同席した角氏は「原発を動かす、動かさないは行政訴訟に限定するなど、やり方はある」と述べたという。
「司法はウルセー、黙ってろ」と言わんばかりの主張は若干トーンダウンされたように見えるかもしれないが、本質は変わっていない。森会長いわく、「司法リスクを限りなく小さくする必要がある」とのことで、司法権力が行政権力と異なる判断をすること自体が、彼らにとっては「リスク」として認識されている。
 確かに、行政権力が打ち出す方針(原発再稼働)と司法権力が示す判断が矛盾する状態は、経済活動を営むにあたってリスクであるに違いない。しかし、福島第一原発の事故を契機として、原発に対する国民の不安が爆発的に増大しただけでなく、原発推進の歴史に注目が集まることにより、「原子力ムラ」の杜撰さや強引さが暴露され、彼らへの嫌悪感が高まったなかで、こうしたリスクが顕在化することは畢竟不可避である。
 この自明なリスクを考量した経営方針(すなわち、原発に依存しない経営)を展望できないのならば、経営者としての資質を疑われるほかない。さらに彼らは、「司法リスク」をなくするために三権分立を危険にさらすルール変更を唱えているわけだが、それは責任転嫁にすぎない。
 右から明らかであるのは、真に存在するのは「司法リスク」などではない、ということだ。本当のリスクは、こうした当然のヴィジョンを持たない人々が、経済界の主として君臨していることに存する。71年前の敗戦は、結果として各界での人材の代謝を促した。3.11という第二の敗戦も、同じことを要求しているのではないか。

白井聡
京都精華大学人文学部専任講師(政治学・社会思想)
1977年、東京都生れ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。博士(社会学)。政治学者の立場から「いま何が起きているのか」を考え、分析します。私の専門は、政治哲学とか社会思想などと呼ばれる分野です。哲学・思想のプリズムを通して、現実の本質に迫りたいと思います。著書に、『未完のレーニン』(講談社選書メチエ)、『「物質」の蜂起をめざして――レーニン、〈力〉の思想』(作品社)、『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版)、共著に『日本人が知らないウィキリークス』(洋泉社新書)などがある。朝日新聞社「WEBRONZA」寄稿者。

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