江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

竹内実先生の思い出

exajoe2013-08-01

 京都大学在学中に私は竹内実先生の中国文学の講義を受けた。穏やかな口調で話される中国の話はとても面白く、また試験もなかったように思う。受講者は名前を書いて出すだけで優がもらえたのだった。講義の終わりには先生のご著書をいただいた。阪倉篤義先生、塚原鉄雄先生、愛宕元先生、上横手雅敬先生と共に印象深い先生のお一人だった。国史専攻でありながら「隠れ国文」と呼ばれ、裏切り者だった私は当時助手だった西山さんによくからかわれたものである。日本史の世界から卒業と同時に足を洗ってしまい今に至るわけだが、竹内実先生のお話は今でもなつかしく覚えている時間である。
 その訃報を聞いて胸を痛めた。

中国研究者の竹内実さん死去 毛沢東論など記す
朝日新聞デジタル 8月1日(木)23時14分配信
 毛沢東論などで知られる現代中国研究者で京都大学名誉教授の竹内実(たけうち・みのる)さんが死去した。90歳だった。葬儀は近親者で行う。後日、竹内さんが顧問を務めた「現代中国研究会」(代表=吉田富夫・佛教大名誉教授)がしのぶ会を開く。
 1923年、中国山東省生まれ。京都大学文学部卒、東京大大学院修了。東京都立大助教授だった70年、大学紛争に嫌気がさして辞職。73年から87年まで京大人文科学研究所で教授や研究所長などを務めた。同年から94年まで立命館大教授、その後も北京日本学研究センター教授、松阪大学教授などを歴任した。
 19歳までの中国生活で培った滑らかな北京語の能力が研究のベースとなり、現代中国文学の紹介に努めた。60年の安保闘争下に作家の野間宏氏らと訪中。日本の反安保闘争を評価する毛沢東との会見記「毛沢東主席との一時間半」を、感動的な筆遣いで発表した。65年には「毛沢東―その詩と人生」(武田泰淳との共著)を発表。いずれも話題になった。
 文化大革命には懐疑的で、68年の論文「毛沢東に訴う」では、近代中国の屈辱の歴史を終わらせた毛を評価しつつ荒廃を生んだ文革を批判した。毛の人間的魅力への共感は失わず、その後も「毛沢東の生涯」「毛沢東」などを著し、06年には編著「漢詩紀行辞典」を出し、注目された。
 晩年には中国が「中華世界」であることを強調して、安易な中国理解を戒めた。天安門事件でも学生擁護のムードが強かった日本の論調に対して、学生の自重を求めるなど距離を置く姿勢をとった。
 著書はほかに「魯迅(ろじん)遠景」「現代中国の思想」など。
     ◇
 《親交のあった吉田富夫・佛教大名誉教授(中国文学)の話》 中国の文学や歴史など個々の分野の専門家は多いが、竹内さんは現代中国を総体で捉えることができた万能選手のような研究者だった。研究の基礎には中国で生まれ育った体験や高い語学力があった。座談の名手で、私たちの思い込みを意表をつく発想でひっくり返した。亡くなられたことは寂しく、残念でならない。

朝日新聞社

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