立原道造のこと

私は立原道造という詩人が好きである。「鮎の歌」という彼の作品が掲載されているからと、ある教科書を推薦したことさえある。彼が滞在したという信濃追分の油屋旅館にわざわざ行ったこともある。それだけにこのニュースは残念だったのである。
東京・文京区の立原道造記念館、9月で休館へ
叙情豊かな作品で知られた詩人、立原道造(1914〜39年)の資料を展示する東京・文京区の立原道造記念館が、運営難のため今年9月で休館することが13日分かった。
遺稿などの資料は散逸を防ぐため、戦没画学生の慰霊美術館「無言館」を運営する窪島誠一郎氏に一時寄託するという。
記念館は1997年、立原家の意向を受けた弁護士の鹿野琢見(かのたくみ)氏が、私費を投じて建設。詩人と同時に、建築家だった立原の紹介に努め、若手建築家が対象の「立原道造賞」も創設した。しかし昨年10月に鹿野氏が死去すると、財政難から運営の見直しが迫られていた。現在開催中の企画展が9月26日に終了した時点で休館する。
立原道造は東京帝大建築学科に在学中、堀辰雄らと詩誌「四季」の創刊に参加したが、病気で早世。没後に詩集「優しき歌」、全集が刊行され、広く親しまれた。
(2010年7月14日22時54分 読売新聞)
これは私の好きな彼の作品である。
爽やかな五月に
月の光のこぼれるやうに おまへの頬に
溢れた 涙の大きな粒が すぢを曳いたとて
私は どうして それをささへよう!
おまへは 私を だまらせた……
【星よ おまへはかがやかしい
【花よ おまへは美しかつた
【小鳥よ おまへは優しかつた
……私は語つた おまへの耳に 幾たびも
だが たつた一度も 言ひはしなかつた
【私は おまへを 愛してゐる と
【おまへは 私を 愛してゐるか と
はじめての薔薇が ひらくやうに
泣きやめた おまへの頬に 笑ひがうかんだとて
私の心を どこにおかう?

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建築家だった彼の作品は、さいたま市の別所公園内にヒアシンスハウスという名で建てられている。詩人で建築家というと、小田和正さんもそうである。
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