作家のおやつ - 江草乗の「大人の物欲写真日記」

　勤務先の図書館に面白そうな本があった。三島由紀夫はどんなおやつを食べていたか。向田邦子の愛したおやつは何か、などというふうにいろんなお店のお菓子が紹介されている。もちろんそのお店の多くは鎌倉とか神田とか東京近辺が多くて、簡単にはいけないけれどそれでも気になるのである。

作家のおやつ (コロナ・ブックス)

作者: コロナブックス編集部
出版社/メーカー: 平凡社
発売日: 2009/01/23
メディア: 単行本（ソフトカバー）
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　池波正太郎のところにはちゃんと、京都の寺町二条にある村上開新堂の「好事福廬（こうずぶくろ）」が出ていた。このお菓子なら知ってるぞ。紀州みかんの果肉をくりぬいて、ジュースにしてキュラソーを加えてゼラチンで固めて詰めたものである。確か一個６３０円だったかな。値段はちょっと高いような気もする。
　本の中で紹介されるお菓子の中で、京都の有名なお店のものはほとんど自分の知ってるモノばかりだった。そして、著名な作家がけっこう京都のお菓子を好んでるところがなんだか嬉しかった。自分と同じものを食べていたのかと。池波正太郎は今宮神社のあぶりもちが好きだったとか。食べている写真が出ている。
　おいしいおやつをいただく時間というのは至福の時間である。作家たちの至福がいっぱいつまったこの本は、読む人を幸せな気分にしてくれる。
　今この本は品切れになるくらい売れてるらしい。