通知票書いてます

　一学期末の成績が出た。それで今日は職場で遅くまで通知票を書いていたのである。この通知票書きという作業は決して機械化されることはなさそうだ。そもそもあの通知票という３つに折りたたまれた厚紙をうまく印字できるプリンターなどありえないのである。（もっとも年度初めの名前を印字する段階ではまだ通知票は３つに折りたたまれていない平べったい一枚ものなので、その状態でレーザープリンターを使って名前や担任名は印字しているのだが）
　そういうわけで、通知票は必然的に手書きだ。一人ずつ目の前にクラスの成績一覧表をおいて、その上に通知票を置いて、紙をずらしながら一行ずつ見えるようにして、その一行の点数を転記していく。現代文８１点、古典７５点、世界史７４点、日本史６９点・・・というふうにひとつひとつを記入していくのだ。期末試験の場合は家庭科や体育、美術などの点数も記載するので中間試験よりも時間が掛かる。クラス全員の点数を転記できるまでには軽く１時間以上掛かってしまう。もっとも転記してるときにはさらに時間が掛かる要素がある。それは通知票というのがその生徒の自叙伝みたいなものだからだ。前回の試験、そのまた前回の試験の点数がそこに存在する。
　通知票の一通一通を記入しながら、前回の試験と比べて席次の上下だけではなくて、どの科目が上昇してどの科目が下降したかを、その生徒の顔を思い浮かべながら確認する。ゆっくりと手書きするということは、そうしたことに思いをめぐらすだけの余裕が生まれるということなのだ。そしてコンピュータですべて処理しないで手作業の部分を残すということはそれだけ担任を生徒の点数と向き合わせるという意図があるのかも知れない。
　もうすぐ終業式、そして夏休み・・・と言いたいところだが、夏休みも夏期講習や部活の指導でかなり忙しいのである。

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