江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

父と暮らせば18

 風呂にはいるのが遅くなって、父が入った後ではいろうとすると湯気がモウモウとたっている。まさかと思って湯船に指先をつけると熱湯だ! 父がお風呂を沸かしながら入って、そのまま火を消すのを忘れていたようである。最近こういうことが多くて、父があがるときにはいつも「ちゃんと消したか」と声を掛けるようにしてるのだが、今日はたまたま私は部屋でパソコンを触れていて父が風呂に入った気配に気づかなかったので、父も声を掛けられないとよくわすれている。もっとも自然に数分経てば切れるようにはなってるのだが。その数分でもかなり湯があつくなってしまって、うっかり飛び込んだら大やけどということになりかねない熱さになるのだ。今日はまさにその危機一髪の状態だったのである。 
 父の物忘れが激しくなってきてるのも、78歳という年齢を考えたら仕方ないかと思う。図書館で借りてきた本をいつも読んでるのだが、同じ本を二度借りていたりする。前に読んだことをすっかりと忘れてるからである。しかし、好きな本は何度も読みたいから借りてくることもあるのかも知れず。
 そうそう、私が著者の中野武彦さんから直接もらったサイン入りの本、「樟樹」は父にとってもお気に入りである。そこには父が過ごした戦前の大阪の風景が生き生きと描かれる。小学校を出て丁稚奉公に出た父と中野武彦氏は2歳違うだけで、ほぼ同じ時期の大阪の街で過ごしたわけである。「ここに書いてあることはみんなわかる。もうこんなこと分かる人もおらんやろなあ」と父はなつかしそうに語った。


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