ハメコミ相場その後

　3882紀州製紙株がいったいどうなるのか。今日は寄り付きから目が離せなかった。かといって追加で売買するのも怖くて、ただ見ていたのである。というのは、先週末に予想した「このまま下げていく」という展開にはならなかったからだ。買い意欲は強く、結局４１４円まで上昇し、もしかしたら空売りしたものが必死で損切り返済させられる踏み上げ相場になってしまうのではと、売り方の私をびびらせた。私も一瞬損切りを覚悟したくらいである。しかし、午後１時半くらいから急に勢いは失速して下げ始めた。やっと予想通りになったのである。下げる途中でリバウンド狙いの買いが何度か入ったが、それをなぎ倒すような大口の売りが炸裂し、下げ出すと前場に高い値段でつかんだ人たちも次々と雪崩を打ったように損切りして投げ出し、一気に下げていった。終値は３６９円（−３３）円、しかし今日のＶＷＡＰ（平均して売買された価格）は３９８円なのである。つまり、今日買った人を平均すると２９円の含み損ということになり、6000万株近く取引されてるから合計１７億ほどの含み損が今日買った人たちにばらまかれたことになる。あくまで机上の計算だが。私の含み損も一気に減った。これでもう頭を痛めることもない。まあそれはこのままスンナリさげてくれてのことだが。
　明日は含み損になってしまった人が損失を最小限にするために早めに売ってくるだろう。というか、実質２００円そこそこのこの株をここまで力業で上げてきても、株価バブルがはじけると一気に暴落するということだ。
　しかし、今日はたまたま先週の私の予想通りに株価が動いたからよかったものの、場中には何度も私は自分の信念がくじけそうになった。それほど今日の動きは読めなかったのである。
　こういう仕手戦をいくつもいくつも体験しながら、私は自分の相場に対する勘を養っていきたいと思う。欲と欲とがぶつかりあう仕手戦は、ゼニと知恵を武器にする男たちに与えられた最高のバトルフィールドかも知れない。