江草乗の「大人の物欲写真日記」

江草乗のプライベートな日常日記です。

トニー滝谷

 千里セルシーシアターのレイトショーで、「トニー滝谷」を観た。村上春樹の原作そのままに忠実に再現された作品で、本を読んだときに感じた切なさが何倍にも増幅されて伝わってきた。読みながら想像していた細部が、その想像通りに再現されていたことに驚いた。
 「国境の南・太陽の西」「ノルウェイの森」はどちらも喪失感の物語である。そしてこの作品「トニー滝谷」もまた同様だ。
 ずっと孤独で生きてきた男が、生まれて初めて孤独じゃないことの幸福を知る。しかしその幸福は長続きせずに結局、男は孤独の中に帰っていく。
 
 宮沢りえ、きみはまるで、「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーンのようにCUTEだ。ぼくは映画を見終わったあとも、何度も思い出していた。そしてぼくは、10年以上前に見た写真集「サンタフェ」のことをちょっぴり思い出して少し恥ずかしくなった。